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F1 ニュース

投稿日: 2018.12.12 12:32
更新日: 2019.01.07 12:37

シーズンオフ技術解説(2):『世界最高のレーシングエンジン』であるF1パワーユニットの劣化対策

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F1 | シーズンオフ技術解説(2):『世界最高のレーシングエンジン』であるF1パワーユニットの劣化対策

 この5シーズンを通して圧倒的なパワーと高い耐久性を見せたメルセデスのパワーユニット(PU)。前回の技術解説では、その生みの親である人物がF1エンジンの飛躍的な進歩について語ったが、今回はパワーロスの防ぎ方や、2021年以降の新規則について明かした。

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 今のF1パワーユニットは、壊れなければいいというものではない。シーズンを通じて、進化し続けなければならないのだ。

 メルセデスのパワーユニットの生みの親であり、現在メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ部門のマネージングディレクターを務めるアンディ・コーウェルは、次のように語った。

「シーズン中に1基を使い続けていると、どうしてもパワーが少しずつ低下していく。そこをいかに食い止めるか、エンジニアたちはずいぶん頑張ってくれた」

「かつてのV8エンジン時代は、まったく同じパーツを同じように組み立てたのに、どうしても個体差によるバラツキを防げなかった。それはなぜなのか、どこから起きるのか、徹底的に究明してね。まずはその個体差を、最小限にすることに成功した」

「次になぜ少しずつパワーが落ちていくのか、原因究明に取り掛かった。摩擦による表面の劣化や、ジョイントの劣化なのか、補機類に問題はないのか、かなりのエネルギーを追求に費やしたよ。具体的な部分には、言及できないけどね」

 さらに組み上がってからのパワーユニットへの、細かな配慮も忘れない。

「次のグランプリへの移動に、高度1万メートルの上空を飛ぶことはしょっちゅうだ。その際、PUがどんな状態に置かれているか、しつこいほど確認している。精密機械の塊だからね」

 1基あたりの寿命は、平均6000〜8000km。もちろん市販車エンジンとは比べものにならないほど短命だが、発生するパワーも違いすぎる。何よりモータースポーツの歴史において、これほどハイパワーかつ壊れないエンジンは、これまで出現していない。

■ライバルに差をつける最大の武器はMGU-H。新規則による廃止に反対


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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