マクラーレンのCEOであるザック・ブラウンは、パートナーのルノーF1が行なっているパワーユニット(PU)のパワー増強や、2018年シーズンの戦いから学んだことなどを通じて、次のシーズンは「慎重ながらも楽観的」な見通しを立てていると語った。
2018年のマクラーレンの戦いは期待を下回る内容に終わった。中団争いをリードしたいという目標を達成できず、F1で2番目に成功を収めてきたチームにとっては最悪とも言えるシーズンになってしまった。
しかしマクラーレンはパフォーマンス回復に向けて懸命に取り組んでいる。2018年の途中から始まったマネジメント体制と技術部門の改革は、現在も進行中だ。
強気の見通しを出してしまうがゆえに落とし穴にはまることの怖ろしさを十分理解しているブラウンは、チームのバラ色の未来を語るような危険は冒さないが、それでも楽観的になれる理由はあるという。
「慎重ながらも楽観的でいるが、先走りたくはない。過去にそうしてしまった我々としては、同じ過ちを二度繰り返したくないからだ。開発作業はうまく運んでいる。達成目標に対して、概ね順調な進み具合だ」とブラウン。
「どの部分で競争が生じるのか、今は憶測しかできない。(F1合同テストが行なわれる)バルセロナに行くまでは分からないだろう。だが我々自身の進捗について言えば、満足できる内容だ」
「以前と異なるやり方で作業を進めてきた。スタッフは皆うまく協働している。静かな自信がみなぎっているといったところで、いつでも稼働できる状態だ。2019年は、我々の進歩を示さなければいけないという意味で重要なシーズンになると分かっており、気力は満ちている」
「目的地まで一足飛びにたどり着けるとは考えていない。良い成果を得る前にはまず、良い感触が得られるものだ。今日やっているものを明日コース上に出せるというわけではなく、時間差がある」
マクラーレンのエンジニアチームが2019年型マシンMCL34のシャシーに最終仕上げを施す間に、エンジンパートナーのルノーはビリー-シャティヨンで、メルセデスやフェラーリとの差を縮めるべく続く開発作業において大きな進展を見せたようだ。