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F1 ニュース

投稿日: 2018.12.29 07:00
更新日: 2018.12.28 14:06

スペイン人ライターのF1便り:最高峰のエリート集団のなかで明暗分かれたドライバーたち

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F1 | スペイン人ライターのF1便り:最高峰のエリート集団のなかで明暗分かれたドライバーたち

 スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。各ドライバーたちの2018年シーズンの評価をまとめていく。

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 2018年シーズンのF1が終わった。興奮に満ちた長い1年間が過ぎた後、少々くつろぎながら素晴らしかったシーズンを振り返るのに、12月は最適な時期だろう。2018年はF1史上初めて、シーズン全戦を通してドライバーの顔ぶれがまったく変わらなかった。

 つまり、シーズン中にその役割を担ったドライバー総人数が過去最少だったということだ。またある意味で、過去に例がないような個性豊かなF1マシンも多かった。すべてのF1ドライバーが驚くほど優れた技能を有しているという事実を指摘しておくことは重要だ。

 だがそんなエリート集団においても、全員が同じようなパフォーマンスを残せるとは限らない。1年のまとめとして全20名のドライバーたちをランキング形式で評価していこう。

20位 セルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)

2018年 セルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)
2018年 セルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)

 ウイリアムズからF1デビューを果たしたシロトキンについては、2018年シーズンが間違いなく困難なものになるだろうとの予測はあった。一方でチームは、彼のスポンサーから得られる支援金を喜んで受け入れた。その真面目な姿勢やエンジニアリングに関する学歴(大学で最後に書いた論文は自身がF1テストドライバーとして過ごした2017年シーズンがテーマだった)は武器にもなり得たはずだ。

 しかし、経験不足でかつ結果も伴わなかったシロトキンに、2度目のチャンスが与えられることはなかった。事前の予想よりはチームメイトのランス・ストロールに近付けたし、比較すれば潜在能力もより高いものだったかもしれない。だがシートを失ったことで、じきに忘れられる存在になってしまうだろう。

19位 ランス・ストロール(ウイリアムズ)

2018年 ランス・ストロール(ウイリアムズ)
2018年 ランス・ストロール(ウイリアムズ)

 ストロールにとって、2018年シーズンの走りは論議を呼ぶ奇妙な内容だった。F1デビューした2017年より、良くも悪くも見えたのだ。ミスの数は減ったものの、彼ならではの速さがまったく見られなかった。ウイリアムズのマシンでは輝けなかったようだ。

 2019年の移籍先であるレーシング・ポイントでは、実力を試されることになる。豊富な資金を持参したとしても、F1における居場所は自分で築かなければならない。なにしろチームメイトだったシロトキンを、期待されたほどには引き離せなかったのだ。

18位 ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)

2018年 ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)
2018年 ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)

 短命に終わったハートレーのF1での経歴を表現するとしたら、おそらく『不均衡』という言葉がふさわしいだろう。レッドブル・ジュニアチームのプログラムを解雇されてから10年近くが経過した2017年に、ハートレー自身が驚いたというF1復帰が果たされた。

 彼はベストを尽くしたが、結局のところ耐久レースでの数年間を経た後に、F1に求められる速さを取り戻すことは難しかったに違いない。それでも鈴鹿で行われた第17戦日本GPの予選などいくつか良いパフォーマンスも見られ、わずかながら2019年シーズンに残留の可能性もあった。だがダニール・クビアトの復帰が決まり、惜しくもその機会を逸した。

17位 ストフェル・バンドーン(マクラーレン)

2018年 ストフェル・バンドーン(マクラーレン)
2018年 ストフェル・バンドーン(マクラーレン)

 バンドーンがこれまでにF1で見せた最高のレースが、自身のデビュー戦である2016年バーレーンGPだったというのは皮肉だ。それ以降は勝利にどん欲なチームメイト、フェルナンド・アロンソに大きく水をあけられている。低パフォーマンスのマシンに乗っても最高の走りを見せられるドライバーと組んだことが、不幸だったのかもしれない。

 だがGP2(現在のFIA F2)でタイトルを獲得し、スーパーフォーミュラでも活躍した後のバンドーンに、なぜF1でもっと良い成果が出せないのかを問う人はいない。彼はフォーミュラEのデビュー戦でもあまり良い結果は出せなかった。技能はあっても、戦い方は自分で見つけなければならないのだ。

■ピエール・ガスリー、2019年のレッドブル・ホンダでの活躍に期待


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