メルセデスAMGペトロナス・モータースポーツからF1に参戦するバルテリ・ボッタスが、1月24~25日にラリー競技デビュー戦となるアークティック・ラップランド・ラリーで現行規定WRカーのフォード・フィエスタWRCをドライブ。初挑戦のSSでステージウインを飾るなど順応性の高さを披露し、総合5位完走を果たした。
現役F1ドライバーでありながら、北極圏で開催される“世界一美しいラリー”に参戦することを決めたボッタスは、元WRC世界ラリー選手権王者マーカス・グロンホルムのコドライバーを長年務めてきたティモ・ラウティアイネンとともに事前テストにも参加。
そこでWRカーでのスノードライビングを初体験すると、そのままラリーウイークへと突入しレッキとシェイクダウンをこなし、いよいよラリー本戦デビューの瞬間を迎えた。
そのボッタスに立ちはだかったのは、各国地域選手権でトップカテゴリーマシンとして使用されるR5規定ラリーカーをドライブするフィンランド国内選手権トップランナーたちで、この難易度の高いイベントも彼らは、ステージにあるコーナーの曲率までも知り尽くしている。
対するボッタスは、昨季のWRCチャンピオンに輝いたマシンとほぼ同一スペックの最新WRカー+現役F1ドライバーという組み合わせをもってしても、パワーで劣るR5規定マシンに遅れを取る展開を余儀なくされる。
SS1では7番手、SS2では9番手タイムでラリーを進めたボッタスは、続く3ステージ目でドライビングのリズムをつかみ総合5番手に浮上。そのまま初日全5SSを走破し、ポジションを落とすことなく最終サービスへと帰還した。
明けた土曜のデイ2にも全5SSが設定されるなか、ボッタスはさらにフィエスタWRCの特徴を掴むと、ループステージとして3度目の登場となった全長3.5kmのショートステージSS8で、総合争い4番手につけるライバル、ヘンリク・ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5)を約2.3秒上回り自身初のSSベストタイムをマーク。