第2回F1バルセロナテストを終えて、徐々に新車の実力が明らかになってきた。今回はF1開幕戦オーストラリアGPに向け各チームの実力を数値化して分析。第2回目はメルセデスだ。
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■メルセデスのチーム戦力
100点満点中90点
■テストでの最速タイム
2番手/10チーム中 1分16秒224(ルイス・ハミルトン/C5タイヤ/3月1日午後)
■予想される本来の実力
2番手/10チーム中 1分16秒000(※トップとの差0.5秒)
※トップチームがアタックした場合、1分15秒500のタイムが出ると仮定
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レッドブル・ホンダ同様、メルセデスも1回目と2回目のプレシーズンテストで状況が一変したチームだ。ただし、メルセデスの場合は、レッドブルとは対照的に1回目のテストから2回目のテストに向けて復調し、良い形でテストを締めくくることができた。
1回目テストでのメルセデスは、バルテリ・ボッタスが1分17秒857で4日間全体の6番手、ルイス・ハミルトンも1分17秒977で4日間全体の7番手に終わった。ボッタスのタイムはC5タイヤ(旧ハイパーソフト)を履いて記録されたものだが、ハミルトンはC4タイヤ(旧ウルトラソフト)で同等のタイムを記録していることから、ボッタスがマシンの性能をきちんと出していれば、テスト1回目の総合トップのニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)の1分17秒393を上回っていた可能性は高い。
だが、メルセデスが戦うべき相手はルノーではなく、フェラーリやレッドブル・ホンダという点を考えると、ハミルトンがC4タイヤで記録したタイムも決して満足のいく内容ではなかった。
1回目のテストではハミルトンも「2018年と比較して、マシンのフィーリングが大きく違うので、いまはマシンをより理解することに努め、どうすれば性能を引き出すことができるのかを探っているところだよ」と歯切れの悪いコメントに終始していた。この時点でメルセデスはかなりの危機感を持って、バルセロナを後にしていたに違いない。
1回目のテスト終了から5日後の2月26日にカタロニア・サーキットで登場したメルセデスのマシンは、2台目の新車と言えるほど、1回目のテストから大幅にアップデートされていた。
先端が円形をした独特の形状をしたノーズは、クラッシュテストの関係から、2回目のテストに投入することはかなり前から予定されていたと考えられるが、フロントウイングの翼端板が1回目が内向きだったのに対して、アップデートされたものでは外向きに変更。これは空力の根本的な変更であり、1回目のテストでのライバルたちのマシンのパフォーマンスを見て、急きょ投入したパーツだと考えられる。