レーシングカーのデザイナーやエンジニアは体重の軽いドライバーを好む。結局のところ重量によってマシンのスピードは落ちるし、体重は戦略的にマシンに配置できるものでもないからだ。
F1は体重の軽いドライバーと重いドライバー間の状況を公平にしようと試み、規則でドライバーとマシンの重量を合わせた最低重量を取り決めた。デザイナーは必然的にマシンを最低重量以下になるように製作し、競争力を最大限に高められるようにバラストをシャシーに配置する。つまり体重の軽いドライバーに利点があるということになる。
2019年の新ルールではドライバー、ヘルメット、HANSデバイス、その他のキットとシートを合わせた重量が最低80kgにならなければならない。そしてドライバーとマシンの合計重量は最低740kgになるように考慮する必要がある。体重の軽いドライバーはシート周辺にバラストを配置しなければならないが、体重の重いドライバーと比べて重心を低くできるため、後者は今も多少不利な立場にある。
すべてのドライバーが食事とトレーニングで体重を増やしているわけではないが、多くの者がそうしている。プレシーズンテストの間、ケビン・マグヌッセンの乗るハースのマシンはヘッドレストの設計が悪く、前に押し出されて落ち着かない状態になっていた。しかし彼は筋肉を増強していたため、首にかかる負担に耐えることができたのだ。