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F1 ニュース

投稿日: 2019.05.15 12:30
更新日: 2019.05.15 12:40

「もっとF1を知ってもらいたい」ハースF1小松エンジニアによる初の著作『エンジニアが明かすF1の世界』に込められた思い

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F1 | 「もっとF1を知ってもらいたい」ハースF1小松エンジニアによる初の著作『エンジニアが明かすF1の世界』に込められた思い

 リッチ・エナジー・ハースF1チームのチーフレースエンジニアを務め、オートスポーツwebでも毎戦コラムを執筆している小松礼雄エンジニア。F1の世界に身をおいて17年目のシーズンを迎えた小松エンジニアが、「F1をもっと知ってもらいたい」という思いを込めて1冊の本を書いた。それが、『エンジニアが明かすF1の世界』だ。

 小松エンジニアは、2003年に現在のメルセデスの前身であるBARホンダに入り、2006年から2015年まではルノーで活躍。2016年以降は、この年からF1に参戦を開始したハースで、現場の技術監督であるチーフレースエンジニアを務めている。長年F1を見ているファンのなかには、ロマン・グロージャンとタッグを組んでいたことを覚えている人も多いだろう。

小松礼雄チーフエンジニア&ロマン・グロージャン

 そんな小松エンジニアが、この度著作を執筆した。『エンジニアが明かすF1の世界』というタイトルを見て、自動車レースの最高峰であるF1のエンジニアが書いた本と考えれば、一見すると難解な技術書のように思う人もいるかもしれないが、実は違う。実際、小松エンジニアにはこのような思いがあった。

「僕がF1を見て育った1980年代や1990年代の初頭は、それほどF1に興味がなくても情報が入ってきて、一般の新聞や雑誌でF1を知る機会がありました」

「自分にはそういいうとっかかりがありましたし、『F1って、おもしろいな』と思ってこの道に進みましたが、今では本当におもしろいスポーツだと実感しています」

「ところが今のF1放送は有料放送だけで、普通のニュースでは報道されないし、F1のニュースを見ようと思って探さないと見つからない。雑誌を見ても、F1の記事はほとんど専門誌にしか載っていません。僕は、『こういう現状でいいのかな?』と思いました」

「いろんな人に話を聞いてみると、F1が伝わっていないということもわかりました。すごく細かいところまでF1を理解しようと思っている人も絶対に必要だけど、そういう人たちの自己満足が一局にあって、その反対側にはF1について何も知らない人たちがいます」

「それではあまりF1の魅力が伝わらないと思います。だからドライバーが好きだけどクルマのことは詳しく知らないという人から、いわゆるオタクみたいな人まで、もちろんその中間の人も含めて『F1やモータースポーツというのは、こういうものですよ』というのをもう少しわかってもらえたら、それぞれがもっと楽しくF1を見れるようになるんじゃないかなと思っていました」

 自動車レースといえば、『クルマ』『タイヤ』『セッティング』といったように、どうしても機械的な部分に目を向けがちだ。しかしセッティングを行うエンジニアも、マシンを運転するドライバーも人間であり、極めて人間的な作業が行われているのだということも、小松エンジニアの言葉でわかりにくい部分を噛み砕いて綴られている。

 また小松エンジニアがどのようにしてF1エンジニアを目指し、その夢を実現したのかという部分は、F1のエンジニアを目指す人だけでなく、夢を実現したいと願うすべてのF1ファンにとっても必見だ。さらには、実際にF1ドライバーと仕事をしている小松エンジニアだからこそわかる『F1ドライバーのすごさ』というのも随所で触れられており、まさにこの本でしか読むことのできない重要な見どころだろう。

■「F1は、これからの世界の縮図でもあると思います」


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