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F1 ニュース

投稿日: 2016.09.20 13:23
更新日: 2016.09.20 15:53

今宮純の決勝インプ:レーシング濃度が高かった夜の市街地戦。ロズベルグの岐路となるか──

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F1 | 今宮純の決勝インプ:レーシング濃度が高かった夜の市街地戦。ロズベルグの岐路となるか──

 記憶力がいいニコ・ロズベルグだから、過去の予選10位、決勝11位というワースト結果を忘れているはずはない。だからこそシンガポールGP9回目に初めてPPを大差で決め、1時間55分48秒950の最短レースタイムでの初勝利は格別。200戦、22勝、273点、首位逆転──勝負強いニコを見た。

 マリーナ・ベイ沿いにつづく直角ターン、その18コーナーでは必ず誰かがやってしまう。ミスったのはロズベルグ、FP1でバリアに刺さった。タイトルを争う者がいきなりとは……FP1トップはマックス・フェルスタッペン、2位ダニエル・リカルドとレッドブル勢が予想どおりにワン・ツー。

 メルセデスはノーズだけでなくフロント周りをすべてチェック、チームの努力に応え、ロズベルグはFP2で立ち直る。セクター1最速、高速コーナー・エリアでのカーバランスをまず追及してから、他のセクター(低速コーナーエリア)に合わせこむセットアップ方向は正しい。

 今年、この街を毎朝、激しい雷雨が襲った。高層ビル街がかすみ、視界200mくらいになる大粒シャワーだ。あまり排水性がよくない公道路面は一部冠水、当然タイヤラバーはすべて洗い流される。土曜FP3の路面状態は振り出しに戻ってFP1レベルに。セッティングはやり直し。

 セクター1の5コーナーに行き定点観測、ロズベルグよりルイス・ハミルトンの維持速度が高めで、レッドブル勢と同程度に映った。だが彼は昨日やり残したセクター3に焦点をあてたのだろう。そこで誰よりも約0.2秒も速い最速タイムをマーク。ラバーグリップが流された影響でFP2より0.200秒遅いが、1分44秒352でトップ。

 FP1クラッシュから「いい流れ」に戻したロズベルグ、一方ハミルトンはトラブルが続き、十分周回できない。彼はフリー走行中にブレーキングポイントを自己チェックしながら、得意の“突っ込み味”を決めていく。だがそのために必要な“下味”を整えられないように感じ取れた。これだとブレーキ設定(BBW調整など)がはかどらないだろう。 


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