F1第7戦カナダGPの金曜日、フリー走行2回目でマックス・フェルスタッペンが最終コーナーを立ち上がりのアウト側にあるコンクリートウォールに右フロントタイヤをヒットさせた。
この場所は「チャンピオンの壁=Wall of the Champions」と呼ばれ、1999年のカナダGPでは、地元の英雄ジャック・ビルヌーブをはじめミハエル・シューマッハー、デイモン・ヒルといったチャンピオン経験者がクラッシュしたため、それ以来、この名前で呼ばれるようになった。
フェルスタッペンがクラッシュしたのは、新品のソフトタイヤに履き替えての予選用のタイムアタック中だった。セクター1を自己ベストの20.0秒で通過し、セクター2も23.3秒の自己ベストを叩き出したフェルスタッペンだったが、バックストレートエンドでチームメイトのピエール・ガスリーに接近してしまう。
「ピエールのマシンの真後ろに入ってしまい、シケインの出口でアンダーステアを出してしまった」と言うフェルスタッペンは、チャンピオンの壁に右フロントタイヤをヒットさせてしまった。
ガスリーはそのときの状況を次のように説明する。
「あのとき、僕は次の周にタイムアタックに入るための準備をしていたんだ。そうしたら、アタックしているマックスが接近していると言われて、すぐにプッシュして彼の邪魔にならないようにしたんだけど……」
ウォールにタイヤをヒットさせたフェルスタッペンは、すぐにアクセルを緩めた後にコントロールラインを通過したため、タイムアタックを完璧な形で完了することができなかった。そのときのタイムは1分17秒282。
つまり、フリー走行2回目のフェルスタッペンのベストタイムである1分13秒388は、予選用のタイヤであるソフトタイヤで記録したのではなく、その前に履いていたハードタイヤでのタイムだった。