メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、F1第7戦カナダGPでの優勝は、マニュファクチャラーとして複数の不安材料を抱えた上で達成されたものだったと明かした。
土曜日のフリー走行3回目の時から、メルセデスには懸念があった。ランス・ストロール(レーシングポイント)に供給された新品のエンジンから炎が上がったため、このトラブルの原因がアップグレードが施されたメルセデスの“フェーズ2”パワーユニットすべてに広がってしまうのではないかと憂慮されたのだ。
日曜日には、さらに緊迫した状況となった。ルイス・ハミルトンのマシンに油圧漏れが見つかり、チームのスタッフはレースに間に合うようにシステム全体を入れ替えなければならなかった。
外部からはすべてが平穏で落ち着いているように見えたが、ウォルフは見た目通りの状況ではなかったと主張した。
「勝利を飾ったものの、チームにとって水面下では非常に厳しい週末だった」とウォルフは語った。
「マシンには油圧漏れが起き、多くの問題を抱えていた」
「レースに出せるかどうか、またレースを完走できるかどうか定かではなかった。そして誰も予想していなかったことだが、チームの半数がインフルエンザにかかってしまった。なんとか切り抜けることが問題だったのだ」
「それから、ランスのエンジンから炎が上がってしまい、我々にも影響があるのかどうかが分からなかった」
「私の記憶にあるなかでも、最も難しいレースウィークのひとつだった。だが、外部からは少しもそのようには見えなかっただろう」