24時間飛びかう情報や氾濫するニュース、モータースポーツジャーナリスト今宮純氏が独自の視点からそのシンソウをフカヨミする。今回は『スポーツ・ナショナリズム』をひとつのテーマに5つのニュースを選択。
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■未だゼロポイントのアントニオ・ジョビナッツィに『バンディーニ賞』
今年レギュラー・ドライバーは15カ国から出場しているが、イタリア人ドライバーは彼ひとりだ。2011年までいたヤルノ・トゥルーリ、アントニオ・リウッツィのあと、8年ぶりに復活したアルファロメオのレギュラーに。
結果はまだ出せていないが『2019年度バンディーニ賞』に選出された。この賞典はフェラーリのエースだったイタリア人ロレンツォ・バンディーニを追悼し、1992年に創設されている。バンディーニは、1967年モナコGPで2位走行中にシケインでクラッシュ、マシンが炎上し焼死。日本国内でも悲惨な事故が報じられた。エースの死後、フェラーリが母国人起用を避けるようになったのは伝説のひとつ。
この賞典は主に若いドライバーが対象だが、チーム関係者も選ばれている。成績だけでなく功績なども鑑みて授与され、前年度はメルセデスのバルテリ・ボッタスだった。イタリア人ドライバーおよび同国の関係者・団体が過去6回選出されていて、今年はいわば『フォルツァ・ジョビナッツィ』激励の意味合いが濃い。ちなみにキミ・ライコネンは04年に受賞している。
■35年ぶりオランダGP復活へ、あの砂混じりだったザンドフールトで
初めて行ったオランダのザンドフールト、海水浴場の傍にあるような狭いコースに驚いた(もう45年が経つ)。鈴鹿サーキットの設計・監修をしたジョン・フーゲンホルツ氏が支配人を務めていて、だから「コーナーの配置や、つながりが似ている」と直感。
GP開催は1985年が最後で先月、2020年のF1カレンダー入りが明らかにされた。デビューして5年、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンの存在力が母国GPを蘇らせた。懐かしのザントフールトが近代サーキット・レベルにどう改修されるのか。“兄弟関係?”の鈴鹿サーキットを参考にしてみては……。
■失墜ウイリアムズの2020年問題