2019年F1第8戦フランスGP予選のトロロッソ・ホンダは、アレクサンダー・アルボンが11番手の好位置に。パワーユニット交換によるグリッドペナルティを受けているダニール・クビアトは決勝重視のセッティングで19番手からの追い上げを狙う。
今回は、レースパフォーマンスが向上したというスペック3のホンダ製パワーユニットについて本橋正充チーフエンジニアに話を聞いた。
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──今週末はダニール・クビアトがグリッド降格のペナルティを受けたため、予選よりもレースに向けた作業に専念したわけですね。
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):そうですね。最後尾スタートは残念ですが、それを除けば順調な1日でした。新しいスペック3のパワーユニット(PU/エンジン)も問題なく作動していますし、セッティング作業も滞りなく進みましたね。
──今回は主にターボチャージャーの改良で、(ピエール)ガスリーも言っていたように、特にレースパフォーマンスの向上が期待できるということですか?
本橋CE:そうですね。今のところは実走でも予想通りに機能していますし、決勝レースでも期待に応えてくれるんじゃないかと思っています。レースパフォーマンスは、以前より確実に上がっているはずです。
──ターボの効率が上がった分を、エンジン本体のパワー側に振るのか、あるいは回生エネルギーの方に回すのか、その振り分けはレース現場でのセッティングでも可能なんですか?
本橋CE:ある程度は可能です。しかし、あくまでメインはハードウェア側で加える変更ですね。各サーキットの特性を見据えて、ある程度の割り振りを事前に決めておくわけです。そしてレース現場ではエネルギーマネージメント、いわゆるエネマネですね、そのチューニングを最適化していきます。
──ということは今回クビアト車に入れたスペック3は、ポール・リカール以降レッドブルリンク、シルバーストン、ホッケンハイムと続くサーキットで、エンジンパワーに振るか、回生を重視するか、ある程度ハード側の特性を事前に決めて投入してきたと。
本橋CE:そういうことです。チューニングでもある程度の振り分けは可能ですが、やはりハードウェアありきですから。方向性は開発段階でターゲットを決めて、そこに合わせて進めるわけです。