待望のスペック3のパワーユニット(PU/エンジン)が投入されたF1第8戦フランスGP。しかし伏兵ともいうべきマクラーレンの意外な活躍もあって、レッドブル、トロロッソともに期待したような結果をあげられなかった。これに関して山本雅史マネージングディレクターは、「サーキット自体、非常に難易度が高い。私たちはそれに、十分合わせ込めなかったのかもしれません」と語っていた。
──スペック3も投入され、山本さんとしても期待していたフランスGPだったのではないかと思います。しかし4台完走しながら、入賞圏内でのチェッカーは1台だけでした(※ピエール・ガスリーは11位チェッカー後、ダニエル・リカルドのペナルティで10位入賞)。そのマックス・フェルスタッペンも、表彰台に上がれずという結果です。
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):正直ガッカリもありますけれど、週末3日間を見ていて一番感じたのは、このサーキットの難しさでしたね。
──それはどういうところでしょう?
山本MD:今回3人のドライバーにスペック3を入れて、確かに性能向上は確認できました。信頼性の点でも、まったく問題は出なかったですしね。にもかかわらず、少なくともこのサーキットにおいては、車体とパワーユニットがうまく噛み合っていないという印象を受けました。サーキットの難しさに、レッドブル・ホンダのパッケージが合わせ切れなかったというか。
随所で、たとえばコーナリングの速度感などを見ていると、パッケージとしてのマッチングでいくつかの課題が残った印象ですね。合わせきれていないというか。あくまで伝聞ですけど、マックスも、「スペック3にはいい感触を持っているけど、このコースには合っていないかも」と言っていたそうですし。