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F1 ニュース

投稿日: 2019.07.11 07:30
更新日: 2019.07.10 19:34

【あなたは何しに?】フランスの名俳優ジャン=ポール・ベルモンドの血を引く元F1ドライバーに遭遇

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F1 | 【あなたは何しに?】フランスの名俳優ジャン=ポール・ベルモンドの血を引く元F1ドライバーに遭遇

 F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。今回は、フランスの名俳優であるジャン=ポール・ベルモンドの血を引いている元F1ドライバーの、ポール・ベルモンドをご紹介。
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 ポール・リカール・サーキットのパドックで、珍しい人に再会した。1990年代にF1に参戦していた、ポール・ベルモンドである。といっても、よほど熱心なF1ファンでなければ馴染みのない名前かもしれない。なにしろマーチやパシフィックなど当時の零細チームに所属し、計27戦に出場したものの予選通過はわずか2戦、いずれも完走できずという記録しか残していないのだから。

 ベルモンドはアイルトン・セナやアラン・プロスト、ナイジェル・マンセルらがしのぎを削る当時のF1で、ほとんど注目を集めることなく、94年末にひっそりとF1の世界から去って行った。

 それなのに、なぜ僕がポールのことをいまもはっきり覚えているかといえば、彼がフランスを代表する名俳優であるジャン=ポール・ベルモンドの息子だったからだ。遠い遠い青春時代に『勝手にしやがれ』や『気狂いピエロ』、『薔薇のスタヴィスキー』、『リオの男』などなどを浴びるように観ていたことが、僕をフランス映画好きにさせ、ひいてはその後長くフランスに暮らすきっかけにもなった。

 なのでポールがF1デビューした際には、彼には申し訳ないと思いつつ、お父さんのことばかり尋ねてしまった。それでもポールは嫌な顔ひとつせず質問に答えてくれて、その人柄の良さだけでもピラニアだらけのこの世界で生き残るのは難しいだろうと心配になり、第2の人生に幸多かれと祈ったものだ。

 しかしその後のポールは自らのレーシングチームを立ち上げ、GT選手権やパリ・ダカールラリー、ル・マン24時間レースに毎年のように出場するなど、違うカテゴリーでのドライバー人生を花開かせた。さらに現役引退後は、舞台に活躍の場を移したお父さんを追って演劇の世界にも足を踏み入れ、俳優や劇場支配人として活躍した。僕の心配など、まったく余計なお世話だったのだ。


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