数年前、フォース・インディアと並んで「直線番長」と言われていたトロロッソだが、いまではトップチームが模倣するほど、さまざまなダウンフォースを稼ぐアイディアを持つチームとなっている。モナコGPに次いでダウンフォースを必要とするコースであるシンガポールには、ユニークな形状をしたモンキーシートウイングを持ち込んでいた。
トロロッソがシンガポールに投入したモンキーシートウイングは、メインフラップが3層構造になっているだけでなく、翼端板にも3本のスリットが入った、かなり凝ったデザインをしている。翼端板のスリットはいずれも前方の端まで発しており、そのデザインは本物のリヤウイングと似たような処理が施されている。
このモンキーシートウイングを後方から見ると、メインフラップの後方下部にもう1枚のサブフラップが取り付けられていることがわかる。
これは、もはやモンキーシートウイングというレベルを超え、第二のリヤウイングともいうべき存在となっていることがわかる。
これにより、リヤのトラクションが向上したトロロッソは、シンガポールGPでカルロス・サインツJr.だけでなく、ダニール・クビアトもQ3へ進出。この2人がそろってQ3へ駒を進めたのは、今シーズン、シンガポールGPが初めてだった。