F1第10戦イギリスGP決勝が行われた日曜日のシルバーストンで、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは不機嫌な表情を浮かべて、チームの戦いをオープニングラップで台無しにしてしまったふたりのドライバーを厳しく批判した。
ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンは、スタートで互いに主導権を握ろうと争っていたが、ウェリントン・ストレートに向かおうとしたターン5の出口で、グロージャンがマグヌッセンに接触した。
一見して接触による損傷は起きなかったようにも見えたが、ふたりともタイヤがパンクしていた。マグヌッセンは1周目のうちに、そしてグロージャンも次のラップでピットインしたものの、2台のマシンが負ったダメージは修復の施しようがなく、マグヌッセンは6周目に、グロージャンは9周目にそろってリタイアに追い込まれた。
予想どおり、シュタイナーは厳しい表情で現れた。ドライバーたちのばかげた動きによって決勝レースがふいにされ、マシンが抱える慢性的課題の解決に向けてシルバーストンで異なるスペックを走らせて評価する、というチームの目論見が妨げられてしまったからだ。
「ふたりして面倒を起こしてくれた」 と怒り心頭のシュタイナーは語った。
「容認できるものではない。バルセロナの後、私はやってはいけないことを明確にしていたはずだ。我々は十分に厳しい状況下にあり、マシンを修正しようと努力している。彼らはロングランでは良い走りができそうなところだったのだ」
「それなのにターン5で互いに接触してしまった。到底受け入れられるものではない」
ドライバーたちからは弁明があったのかと聞かれ、シュタイナーはレース後のブリーフィングで話をしたことを明かした。
「彼らは黙っていた。一方で私からふたりに話をした。このような事態の説明に長い時間は不要だ」
「短い言葉で多くのことが伝わるが、私が今回それを言わなければならなかったことに失望している。今の窮状から抜け出すために、我々全員が頑張って働いている」
「ドライバーたちにとっては、ポイントを稼ぐか、最低でも何かを学んでこられる機会だったはずだ。なのに彼らがやったことはこれだ。弁解などいらない」