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F1 ニュース

投稿日: 2019.07.17 13:06

ホンダF1、浅木泰昭PU開発責任者 「投入は条件次第」スペック4/鈴鹿スペシャル準備中を明言

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F1 | ホンダF1、浅木泰昭PU開発責任者 「投入は条件次第」スペック4/鈴鹿スペシャル準備中を明言

 オーストリアは標高が高いという条件が追い風になったと推測されるが(参考記事:ホンダ13年ぶりの優勝のテクニカルな要因を推測)、シルバーストンでフェラーリと真っ向勝負できたことで、ホンダはスペック3の進化を完全に証明した。ここに至る道のりはどのようなものだったのだろうか? ホンダF1のパワーユニット(PU)開発責任者を訪ねた。

 数年前、日本モータースポーツ記者会の勉強会でF1エンジンの開発などホンダのモータースポーツ技術部門を集約したHRD Sakuraに行ったことがある。最新鋭の風洞施設などその核心部分は当然、見ることはかなわなかったが、施設規模には驚いた。

 それと同時に要塞のようだなとも感じた。小高い丘の奥に社屋があり周囲は山が囲んでいる。山城まではいかないとしても周辺から隔絶されている。秘匿技術を扱うには絶好の環境だ。

 以前、四輪モータースポーツ技術部門は栃木県芳賀にある本田技術研究所の四輪部門のなかにあった。手狭だった半面、生産車部門の技術者がちょっとモータースポーツ部門に顔を出すようなこともあったと聞く。

 今はレースを離れていても「嫌いではない人」が多いホンダだけに「どれどれ」とか「オレがやっていた時には」みたいな話があったようだ。Sakuraだとそんな非公式な相談や継承は、その隔絶された環境ゆえに難しいのではないか……と、立派な社屋を拝見しつつ、余計なお世話ながら感じたのを覚えている。

「Sakuraに所属している技術者は少数です。でも、世界中にあるホンダの研究所に勤務する技術者は膨大です。そこで、このなかから、F1に必要な技術者を選び出して、その技術を役立てるという態勢にあらためました。じつは、私が2018年1月にSakuraのセンター長になったのも、こうした考え方の一環だったのです」と7月19日発売オートスポーツ誌のインタビューに答えているのは本田技術研究所HRD Sakura執行役員HRD Sakura担当浅木泰昭氏。

 Sakuraの物理的環境にデメリットがあったのかどうかはわからないが、Sakuraだけで完結せずに広く社内から技術を集めることが体制変更の大きな目的だったのはたしかだ。生産車や将来の基幹となる技術開発が本田技術研究所の“本業”であり、ホンダとしては目の前の売上は重要課題。そのなかにあってF1に技術者を投入するということ自体、現在、ホンダがどれだけF1を重要視しているかの指標とも言える。

 また「技術者を選び出して、その技術を役立てる」のは、かなりの荒業とも想像され、“腕力”が必要となりそうだ。だからこそ執行役員であり、研究所の全体をみる立場の浅木氏が任されたのだろう。

■ホンダF1次のニューエンジン『スペック4』投入タイミングは、イタリアか、シンガポールか、ロシアか

本田技術研究所執行役員の浅木泰昭
本田技術研究所執行役員であり、ホンダF1パワーユニット開発責任者を務める浅木泰昭氏

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