F1が2021年の新レギュレーション案において“グラウンドエフェクト”を再導入しようとしていることが明らかになった。これこそがバトルを活発にするための有効な策であるとF1上層部は考えている。
2021年に向けてテクニカルレギュレーションの大幅な変更が行われる予定となっており、F1、FIA、チームが協議を続けている。F1は17日、その規則案の概要を発表した。
F1は、新レギュレーションのコアとなる4つの原則として、「よりレースをしやすいマシン」「より競争の激しいグリッド」「あっと言わせるマシン」「経済的に実現可能な選手権」を発表。その最初の項目の鍵となるのが、アンダーボディの空気を利用してダウンフォースを得る、グラウンドエフェクトの復活であるという。
現在のF1カーは、ダウンフォースを主にウイングやバージボードなど、マシン上部の空力コンポーネントによって生み出している。1970年代からグラウンドエフェクトカーが登場したものの、安全性の問題から禁止され、それ以来、マシンのフロアはフラットにすることが求められている。
しかし2021年にバトルをしやすいマシンを導入することを目指す技術者たちは、ダウンフォースの生み出し方についてのアプローチを変更しようとしており、マシン上部のデザインをシンプル化し、フロアにベンチュリトンネルとディフューザーを設けることを考えた。これにより前のマシンに近づきやすくなると、FIAのシングルシーター技術担当責任者であるニコラス・トンバジスは言う。
「小さなコンポーネントの多くが取り除かれ、今のマシンよりもシンプルになる。特に、サイドポッドのフロント部とフロントウイングにそれが顕著にみられる」とトンバジス。
「ベンチュリトンネルのような形で、マシン下にディフューザーが設けられる。サイドポッド下の前部から後部にかけてトンネルが設けられるのだ」