ルイス・ハミルトンは、F1の首脳陣は新たな会場をカレンダーに加える前に、ドライバーらの意見を取り入れるべきだと考えている。
5度のタイトル獲得経験を持つハミルトンは新会場でのレースを支持しているものの、スリリングなバトルを展開するという点においては、すべてのコースが同じポテンシャルを持っているわけではないと主張する。
この問題の代表例としては、6月に行なわれたポール・リカールでのフランスGPが挙げられる。今季のフランスGPはF1史上、最も退屈なレースとして批判を浴びたが、その後に行なわれたオーストリアGPとイギリスGPは、順位が激しく入れ替わる熱いレース展開となった。
当然、オーバーテイクに関しては現代のF1マシンやそれを取り巻く規則といった要素も絡むため、そうしたものがコース上でのバトルの質を決定づけるものとなる。
しかし、良いレースは良いコースによって生み出される。そしてハミルトンは、よりよい開催会場を判断するうえで、ドライバー以上の存在はあり得ないと強く主張している。
「この競技の歴史から見て、おそらくドライバーがコース上でのことに助言を行なうという部分で、決定権を持っていたことはないだろう。でも、どのコースでオーバーテイクができて、どこではできないかということを誰よりもよく知っているのは僕らだ」とハミルトンはシルバーストンで語った。
「誰が選択をしているのかは知らないが、今後開催されるコースに選ばれたものの中には、素晴らしいレースにはならないだろう場所もある」
「人々は常に、どこのコースが気に入っているかを僕に尋ねる。ここ(シルバーストン)はそのうちのひとつだよ。なぜなら他のマシンに追いつくことができるから。高速で走れるところが壮観なんだ」
「追いつくことができなくて、電車のように連なって走るしかない場所もある。レースを開催するためだけに選ばれた国があるという状況と、こういった素晴らしいレースができる場所があるのと、どちらがいいと思う?」