2017年仕様タイヤのテストカーのダウンフォースの大きさについて、ピレリが懸念を示している。実際に必要とされるダウンフォース量よりも、ざっと20%ほど不足しているというのだ。
来年用のワイドなピレリ・タイヤの開発には、メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームが協力している。彼らは、来季のレギュレーションにより増えると予想されるダウンフォースの大きさをシミュレートできるように、2015年のマシンを一部改造したものを走らせている。
だが、その走行テストで収集したデータをピレリが解析したところ、実際に発生しているダウンフォースの量が、同社のシミュレーションによる予想値と一致しないことが明らかになったという。
テストカーのダウンフォースはどれくらい足りないのかとの質問に、ピレリのレーシングマネージャー、マリオ・イゾラは次のように答えた。
「それを数字で言うのは難しい。クルマの開発が進むことを考えれば、2017年の初めと終わりでは、当然ダウンフォースレベルは変わってくるだろう。大まかに言うと、現状では20%ほど足りない。だが、来季を通じて、マシンの開発はかなり大きく進むと予想されるので、実際には目標との差はもっと大きいと考えるべきかもしれない」
「問題は、テストカーのダウンフォースが適切なレベルに達していないと、開発中のタイヤのコンパウンドに、来年タイヤにかかると予想されるレベルの負荷をかけられないことだ。そうなると、デグラデーションの評価も正確にはできない。通常はパフォーマンスとダウンフォースが高まるほど、デグラデーションも大きくなるからだ」
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