最高気温37℃、路面温度50℃超という酷暑のコンディション下で行われたF1第11戦ドイツGP初日セッション。オーストリア、イギリスの好調を受けて、レッドブル・ホンダは今週末のドイツでもメルセデス、フェラーリに迫る速さを発揮するのではと期待された。
ところが初日に関しては、マックス・フェルスタッペンがトップのシャルル・ルクレールから約コンマ7秒遅れの5番手と今ひとつの結果だった。さらにピエール・ガスリーはFP2終盤にクラッシュを喫し、15番手に終わってしまう。一方でホンダ側も、ドライバビリティに関する問題が出るなど、完璧とは行かない1日だった。
――かなり暑いコンディションの初日でしたが、レッドブル・ホンダのドライバーはふたりとも、「パワーの出方に問題がある」というような無線をしていました。
田辺豊治F1テクニカルディレクター(以下、田辺TD):2台とも同じ症状だったのですが、ドライバビリティの改善をいろいろやっている中で、エンジンセッティングを変えたところ、動きが悪くなってしまった。より正確に言えば、想定以上に激しい動きになってしまったというか。それで一気にパワーが出ない状態になってしまった。それで2台ともすぐにガレージに戻ってもらって、調整し直しました。
――それがなかったら、もっとタイムは上がっていましたか?というのも高速区間のセクター2だけで、フェルスタッペンはコンマ5秒遅かったです。
田辺TD:というか、パワーが大きく落ちていましたから。まともなタイムを出せる状態ではありませんでした。セクター2が遅かったのは、また別の話ですね。
――イギリスGPで出たラグの問題を解消しようとしての措置だったと思うんですが、ここでもラグの問題が再発する恐れがありますか?
田辺TD:ガスリーはラグのことはほとんど言っていませんが、他の3人は多少出ていると言っています。トロロッソ・ホンダの方は、他にもいろいろな要因が絡まってる可能性があります。そこは調査しているところで、わかり次第対応します。
――そんな問題もあって、フェルスタッペンの自己ベストは中古タイヤで出したものですか?
田辺TD:そうですね。その意味ではチーム側に、少なからぬ迷惑を掛けてしまいました。