2019年F1第11戦ドイツGPに各チームはマシンのアップデートを投入した。そのなかでレーシングポイントは大規模なアップデートをマシンに施してきたが、アップデートはマシンのみに留まらないという。そして日本でも話題となったカルロス・ゴーン問題だが、この問題はルノーのF1チーム活動にも影響がありそうだ。ドイツGPでのF1あれこれを津川哲夫が語る。
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■存続が怪しいドイツGPの厳しい開催権料問題
来季のカレンダーから姿を消す可能性が高いドイツGP。契約には至っておらず、可能性も低いと見られている。
F1ドイツGPの併催レースにはFIA-F2やFIA-F3もなく、ポルシェカップとルノー・クリオカップだけだった。理由は「コストカット」だという。F2やF3を走らせるにはF1のように高いギャラが発生する。
しかし、ポルシェカップやルノー・クリオカップは各メーカーがお金を出すため影響がないという。じつに世知辛い世界だ。
■アップデートの効果てきめん。ドイツで第2弾を投入してウイリアムズが今シーズン初ポイント獲得
F1第10戦イギリスGPから始まったウイリアムズの“3戦連続開発キャンペーン”。「ひとつのアップデートでコンマ3秒のゲインがある」という。実際にイギリスGPではそのコンマ3秒を縮めてきた。
第11戦ドイツGPでも同じようにコンマ3秒のゲインが見られ、確実にポジティブな方向へ向き始めている。今回の荒れたレースを走りきり、今シーズン初の1ポイントを獲得した。
ロバート・クビサのシーズン中解雇の噂には「彼のフィードバックは的確で貢献度が高い。いまはまだ手放せないはず」だという。
■アップデートはマシンだけじゃない。潤沢な資金で夢の新工場建設か?
2019年からは潤沢な資金が入り、やっと開発が軌道に乗ってきたレーシングポイント。今回もアップデートを投入し、ゲインも認められ上向きだ。さらに強気なニュースが、オットマー・サフナウアー代表から語られた。
なんと設備の整った大工場の建設が計画されているという。「いまはパーツの多くが外注。内製も可能だけどリソースが足りず、場所も設備もぎりぎり。新工場なんて夢みたいだ」とサフナイヤー代表。
長年、資金繰りやパーツの調達に苦労したベテランスタッフが呟いていたが、果たして実現するのか。
■ゴーン問題で気になるルノーとニッサンの関係
「日本ではカルロス・ゴーンの問題はどうなってるんだ?」とはルノーのスタッフ。
「ニッサンの内部事情やゴーン氏自体の問題は、一般的にはもはや過去の話」と応えたが、彼の心配はルノーとニッサンの関係で、この関係が良好でいてくれないとF1が危ないと考えているのだろう。
実際、現在のルノーF1チームはゴーン氏時代に発進しており、ゴーン氏の承諾で動き始めた。彼自身も何度かF1現場に足を運んでいた。それらの裏事情を知っているからこそ、日本でのゴーン氏の評判・評価が知りたいと言うわけだ。
残念ながら「知らない」と応えるしかなかったが、少なくともゴーン氏問題はひとつのF1チームにとっては“死活問題”。ホンダにも完全にやられてしまって、言い訳も効かない状況だろう。