『The Times』紙によると、サウジアラビアが同国でのF1開催について、F1オーナーであるリバティ・メディアと話し合いを行ったという。
同紙は、F1各チームはこのプロジェクトの可能性について打診を受けており、人権意識に問題があるとしばしば非難を受けているサウジアラビアでレースをすることについての考えを求められていると報じた。
F1はバーレーンのサヒールやアブダビのヤス・マリーナでレースを開催しているが、リバティ・メディアは中東での観客数のさらなる増加を強く望んでいる。
しかし、サウジアラビアは人権侵害および男女同権や報道の自由を度外視する姿勢について国際的な非難を浴びていることから、F1上層部は同国をF1カレンダーに追加するにあたっては慎重に事を進めることになりそうだ。
フォーミュラEは昨年末、2018/19シーズン開幕戦をサウジアラビアのディルイーヤで開催した。グランプリレースを迎え入れる場合、この際に使用された2.49kmの市街地コースを大幅に改良し、適切なインフラを整えることがひとつの選択肢として考えられる。
しかしながらF1は、アルキディヤを開催候補地とする可能性もある。アルキディヤはサウジアラビアの国家改革サウジ・ビジョン2030の一環である、リヤドの新たな大規模プロジェクトだ。サウジ・ビジョン2030は、経済の石油への依存度を減らし、インフラやレクリエーション、観光などの分野に向けて多様化を図ることを目指している。
2017年にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が発表したところによると、アルキディヤプロジェクトにおいて、330平方キロメートルの土地が使用されるという。敷地内にはリゾート、公園、芸術と文化、スポーツ、健康増進等の施設、および“スピードパーク”も含まれるという。
アルキディヤはソーシャルメディアに設備の完成予想図を投稿、そのなかには、レーシングマシンが巨大なスイミングプールの脇を走るコースの画像も含まれている。全体的なレイアウトやコースデザイン担当者などの詳細は明らかにされていない。
アルキディヤの第一期工事は2023年に完了すると見られている。しかしこの工事が、実際に“スピードパーク”のインフラの完成を含むものなのかどうかは不明だ。