フェラーリF1の2019年タイトル獲得の希望は潰えたも同然だが、チームは少なくともまだ開発の焦点を2020年型マシンに切り替えてはいないという。
プレシーズンテストでの印象強いパフォーマンスにより、開幕戦オーストラリアGPではチャンピオン有力候補と見られていたフェラーリだが、一貫して好成績を挙げることができず、評価を下げていった。
ハンガリーGPでのセバスチャン・ベッテルは3位でフィニッシュしたものの、トップ2台に大きく離されてしまった。フェラーリはタイトで曲がりくねったハンガロリンクにおいて、予測されていたとおりSF90の弱点に苦しみ、優勝争いに全く絡むことができなかった。
フェラーリのSF90は低ダウンフォース仕様の設計がなされており、ストレートでのスピードでは驚くべきパフォーマンスを発揮してきたが、高いダウンフォースが要求されるコースでは性能が芳しくないことが証明されている。このことはパフォーマンスの大きなぶれとともに、チームの問題の中心となってきた。
「我々が答えを明らかにすべきなのは、ハンガリーでの(ルイス・ハミルトンからの)タイム差ではない。わずか1週間前、(ドイツで)我々のマシンは最速だったというのに、今日は最速でなかったのはなぜかということだ」とフェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットはハンガリーで語った。
「しばしば言及してきたように、ここではコースの特徴が大きく影響する。我々のマシンが最大のダウンフォース量に欠けていることは分かっている。ブダペストのような最大限のダウンフォースが要求されるコースでは、明らかに苦戦している」
「予選に比べてレースでは、よりいっそう苦戦することになる。なぜなら予選でのシングルラップでは、ダウンフォース不足があったとしてもそれをタイヤのグリップがカバーするからだ。だが長距離でスライドしたり、タイヤをオーバーヒートさせると、事態は間違いなく、さらに複雑なことになる」