F1ブログ「Shots!」を連載している熱田護カメラマンが、ホンダの山本雅史F1マネージングディレクターに読者からの質問を届けるコーナーですが、今回は番外編として第11戦ドイツGP時に同席していた全日本スーパーフォーミュラ選手権およびスーパーGTのディフェンディングチャンピオンの山本尚貴選手にも話を聞きました。
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熱田護カメラマン(以下、熱田):一番うれしかったこと、そして辛かったことはどんなものでしょう?
山本尚貴:一番嬉しかった事。やはり、去年のダブルタイトル(スーパーGTとスーパーフォーミュラ)ですね!あれを超える感動はないです。
そこに至るまでに、辛い経験と苦しい思いをしてきたからこそ、勝った時の喜びが何物にも変えられませんし、それがあるからこそ、次にくる苦難にも耐えて、乗り越えられると思うんです。ずっと辛いとさすがに気が滅入りますけど。
例えば(マックス・)フェルスタッペンがオーストリアGPで勝った時に、鈴木さんが泣いてましたよね、大人が泣ける事って滅多にない事だと思うんです。
やはり、それまでの苦しい想いだったり自分が努力してきたことに対して報われた瞬間というのは、他の人には感じられないものが涙として溢れ出るものだと思うし、あの姿を見た時、あぁ、やはり大変だったんだろうなと容易に想像できました。
ホンダ山本雅史F1マネージングディレクター(以下、山本MD):やはり、勝つとかタイトル取るとかというのは、普通にやっていたのでは取ることができないですね。普通の思いではダメだし、想いだけでもダメ。
去年のシーズン前に、尚貴に電話で話そうとして夜の10時ごろから3時ごろまでお互いの意見交換をしたんですよ。今、笑い話になって言えますが、タイトルを取れていなかったら、あの時間はなんだったの?ということになりますね(笑)。しかし、そういう腹を割って話す事も重要な事だと思うんですよ。