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F1 ニュース

投稿日: 2016.09.29 19:20

F1 Topic:小さなトラブルも疎かにしないメルセデスの仕事術

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F1 | F1 Topic:小さなトラブルも疎かにしないメルセデスの仕事術

 昨年、シンガポールGPで苦しんだメルセデスAMG。予選ではルイス・ハミルトンの5位が最高で、そのハミルトンはレースでリタイア。ニコ・ロズベルグは4位にとどまった。

 今年のシンガポールGPでは、1年の時を経て、再びメルセデスAMGが同じ轍を踏むのかどうかに注目が集まったが、結果はロズベルグのポール・トゥ・ウィン。しっかりとリベンジを果たした。

 その理由はいくつか考えられるが、そのうちのひとつがメルセデスのパワーユニットの改善である。昨年のシンガポールGPで苦杯をなめたのは、じつはメルセデスAMGだけではなかった。メルセデスのパワーユニットを使用するほかのチームもシンガポールGPでは苦戦を強いられた。その理由がメルセデスのパワーだった。あるメルセデス・ユーザーのエンジニアはこう語る。
「メルセデスのエンジンはパワーがあるので、コントロールするのが大変」

 つまり、現在F1界でもっとも高いパワーが、昨年はリヤタイヤをオーバーヒートさせていたわけである。それが今年は大きな障害にはならなかった。それは、ドライバビリティが向上したからだった。
「ほかのパワーユニットもメルセデスを目指して進化しているけど、メルセデスだって進化を続けている。本当にすごいエンジンだよ」と某メルセデス・ユーザーチームのエンジニアは語る。

 市街地コースで行われるシンガポールGPは、シリーズ全体を考えると特殊なサーキットである。したがって、このレースを落としたとしても、選手権に大きな影響は出ない。しかし、F1のエンジニアリングで大切なことは、勝たったか負けたかという結果ではなく、なぜ勝ったのかなぜ負けたのかを検証することである。ドライバビリティを改善する余地があると判断したメルセデスAMGは、パワーユニットを供給するメルセデスHPPに改善を要求。満を持してシンガポールGPに臨んできた。


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