ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)がFIA-F2で苦戦している。第8戦ハンガリーを終えた段階でドライバーズランキングは45ポイントで11位。ランキングトップのニック・デ・フリース(ART)は196ポイントを獲得しておりその差は歴然だ。
しかし、イギリス出身のF1ジャーナリスト、クリス・メッドランドによると、ミック・シューマッハーは決してパフォーマンスが低いわけではないという。その理由を語った。
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シューマッハーという姓を持つことは、現在のモータースポーツ界においては最も厳しいことだ。
かつてアイルトン・セナの甥であるブルーノ・セナに寄せられた関心と、彼が初めてF1マシンをドライブするチャンスを得た時にどれだけのプレッシャーが彼にのしかかったかを我々は皆覚えているだろう。だが私は通算7回のドライバーズチャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハーの息子ミック・シューマッハーへのプレッシャーはいっそう大きいものだと考えている。
史上最も成功したF1ドライバーの息子として、まわりには詮索の目が常に多く存在する。だがミハエル・シューマッハーの健康に関する悲劇的な状況と、そのことについての情報の少なさが、ミックの活動について別のレベルの関心を引き寄せている。
シューマッハーの姓は助けにもなり、負担にもなると私は考える。
もちろんこの姓は助けになる。なぜならミックに寄せられる関心は、他のドライバーなら到達することができないかもしれないレース参戦への扉を開くことになるからだ。たとえば、ミックにとってスポンサーを見つけ、メディアへの露出を増やすことは難しいことではないだろう。
だが名前自体は、業績を達成するのに必要な才能をミックに与えてくれはしない。ミック自身のハードワークとスキルによってのみ、そうした結果を出すことができるのだ。また多くの人々が、ミックが与えられたチャンスに値するのか疑念を抱いていることから、そうした人々を納得させるために、他のどのドライバーよりも優れたパフォーマンスを発揮しなければならないという、不都合な側面もある。