エステバン・オコンは2019年をメルセデスの控えとして過ごしているが、レースに出場しないからといって彼がメルセデスのリザーブ兼シミュレータードライバーとしての役割から何も学んでいないわけではない。実際はまったく逆だ。
オコンは自身の来シーズンの運命についてあと数日で知ることになるだろうが、今週ドイツで報じられたところによると、彼は2020年にルノーに移籍するという。
オコンにとって落ち着かない時期だろうが、来シーズンに彼がどのチームからレースに出ようが、メルセデスの経験から学んだことを武器に表舞台に戻ることになるだろう。
「メルセデスでは多くのことを学んでいる。カムバックできたら、僕ははるかに完成されたドライバーとなっているよ」と22歳のオコンは『Formula1.com』のローレンス・バレットに語った。
オーストラリアGP以降、オコンのスケジュールは、ブラックリーにおけるメルセデスの重要なシミュレーター作業と、グランプリウイークにチームに帯同することに、明確に分けられている。
若いF1ドライバーにとって、控えでいることを強制され、チームのガレージの隅に立っていることがどれだけ悔しいことか、他人にはとても想像できないだろう。
しかしオコンにとって、チームの作業手順を観察し、クルーのコミュニケーションに耳を傾け、技術ブリーフィングに参加することは、決して時間の無駄ではない。
「メルセデスチームの一員でいることは、僕にとってとても良いことだよ」とオコンは語る。
「このチームはすごく成功していて、多くの知識がある。その知識はとても貴重なものだ」
「僕は多くのフィードバックを返し、チームのために作業をしている。今の僕の立場では、僕自身のパフォーマンスを上げることを必要とされていない」
「僕がやらなければならない唯一のことは、シミュレーターからチームが求めていることについて、適切な仕事をすることだ。今の時点で僕がやっているのはそういうことだ」
シミュレーターで過ごした無数の時間を通して、オコンはメルセデスのW10の開発に貢献してきたが、この経験は彼自身の成長にとっても非常に有益なものだ。
「シミュレーターをドライブする時間から、僕は間違いなく多くの知識を吸収している」とオコンは認めている。