チームメイトに前半戦で得点差をつけられたメルセデスのバルテリ・ボッタス、フェラーリのシャルル・ルクレール、レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーたち。彼らはどこからじりじりと引き離されていったのか。その“クロスポイント”をたどってみよう。
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*メルセデス チームメイトのポイント比較
ランキング1位:ルイス・ハミルトン(250点)
ランキング2位:バルテリ・ボッタス(188点)
第5戦スペインGPでは3連続PPを決め、2勝と2位3回を重ねたボッタスはハミルトンに迫る“7点差”につけていた。シリーズ序盤を一時リード、予選でも遜色ないアグレッシブさをアピール。昨年と違う引き締まった表情、加入3年目を迎え気迫も充分だったのだが。
モナコGPのハミルトンはこれまでPPが1度だけ、彼にしては少ない。2年前にはワーストと言える予選14番手、3番手ボッタスに負けている。
今年の挑戦者ボッタスはQ1を3番手、Q2を2番手、セクター1と2で最速タイムをマークしQ3に賭けた。1本目に1分10秒252でトップ、ハミルトンは1分10秒483で及ばない。ところが王者ハミルトンは、2本目に0.317秒も削る1分10秒166のスーパーラップを見せつけ、PPをボッタスから奪いとった。
ショックを受けたボッタスはこう言わねばならなかった。「ウオームアップがうまくなかった。セクター1の入りが劣り、ラップをまとめきれなかった」。
最後に“隠しポケット”からすべてをひき出し突き放したハミルトン。モナコ全力アタックに完敗したボッタス。この後のボッタスは勢いを維持することができず未勝利のまま前半戦を終えた――。