F1第13戦ベルギーでホンダは、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)とダニール・クビアト(トロロッソ)のマシンに、スペック4のパワーユニット(PU/エンジン)を投入する。今回のスペック4ではどのような向上を果たしたのか。そして、レッドブルとトロロッソのドライバー交代について、気になる点を田辺豊治テクニカルディレクターに聞いた。
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──スペック4の投入を決めましたが、各チーム1台ずつにしたのはなぜでしょう。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):この先どう使って行こうか、チームとも話し合って決めました。ペナルティの状況、選手権ポイントなども考え合わせてですね。
──スペック3との違い、進化の度合いは?
田辺TD:パフォーマンスと信頼性、両方のバランスがうまく取れた形で性能が向上したスペックになっています。
──前回はターボチャージャーの変更がメインで、エンジン本体にも合わせて改良が加えられました。スペック4の改良点はどこになりますか。
田辺TD:今回はMGU-H(熱エネルギー回生システム)、ターボに変更はなく、ICE(内燃機関)の改良がメインです。
──燃焼効率が上がったということでしょうか。
田辺TD:燃焼系の向上ですね。
──信頼性向上も、ICEに対してですか。
田辺TD:そうですね。スペック3もそうでしたが、最大限のポテンシャルをいかに長く使うか、それを目指して開発を続けてきました。そのためには信頼性とパフォーマンスをスペック3以上にレベルアップさせる必要があるわけですが、今回のスペック4はそのひとつの到達点です。
──スペック2から3への変更に比べると、今回のスペック3から4の方が、進化の度合いが大きいのでしょうか。
田辺TD:秘密です(といいながら満面の笑み)。
──その笑顔がすべてを語っているように見えますね。
田辺TD:そうですね(笑)。目に見える形のステップアップをしたものを持ってきています。