午後5時、通常よりも3時間も遅いスケジュールでマレーシアGPの予選は始まった。この時間に走行するのは今週末でも初めてのことで、完全新舗装の路面がどのような影響を及ぼすのか、未知数のままの予選だ。
空には全体的に薄雲がかかり、さほど強い陽射しが照りつけていないため、気温は30度、路面温度も41度とそれほど高くないコンディション。
Q1では開始直後から各車がソフトタイヤでコースインするが、レッドブル勢とフェラーリ勢だけはミディアムタイヤでアタックに臨んだ。
ルイス・ハミルトンはコースインの際にスタート練習を行なう余裕を見せる。ハミルトンは「(空が)すごく暗く見える」と無線で報告するが、降水確率は20%でチームも「レーダー上は何もないよ」と伝える。メインストレート上には事前に行なわれたサブカテゴリ―のレースで発生したマシンのエンジンブローで出たオイル処理後が残っているが、ライン上ではないためアタックには大きな影響はない。
4分経過したところでジェンソン・バトンが最初のアタックでコースオフを喫し「クルマはOKだけど、トラフィックがひどい。ルノーがなぜか退いてくれなかったんだ」と訴える。それでも次のアタックでタイムを記録しQ1通過を決め、パワーユニット交換で計45グリッド交換が決まっているフェルナンド・アロンソはミディアムタイヤでゆっくりと走行しただけで最下位で予選を終えた。
1回目のランでは1位・2位のメルセデスAMG勢の後ろにはフォースインディア勢が3位・4位で続いたが、ソフトタイヤを履いて2回目のアタックに臨んだフェラーリ勢がこれを上回った。
僅差のQ2争いとなったが、最後のアタックでハース勢がタイムを伸ばし、アロンソに加えてマノーの2台、ザウバーの2台、そして最終コーナーで大きくロックアップさせてタイム更新ができなかったジョリオン・パーマーがQ1敗退となった。
1回目のアタックで右ミラーが外れるアクシデントに見舞われたロマン・グロージャンは「こんなこと二度としないでくれ!」と訴えるが、「わざとじゃないよ、しかしP11だ、良かったな」とチーム。ギュンター・シュタイナーは「君を試したんだよ」と冗談にして11位通過にホッと一息をついた。