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F1 ニュース

投稿日: 2019.09.10 11:23
更新日: 2019.09.10 11:34

王者ハミルトンを相手に一歩も引かず。究極のマッチレースを制した新星ルクレールの巧さと強さ【今宮純のF1イタリアGP分析】

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F1 | 王者ハミルトンを相手に一歩も引かず。究極のマッチレースを制した新星ルクレールの巧さと強さ【今宮純のF1イタリアGP分析】

 2019年F1第14戦イタリアGPは、フェラーリのシャルル・ルクレールがポール・トゥ・ウィンを達成。フェラーリの地元でメルセデス勢の追撃をかわし2連勝を飾った。F1ジャーナリストの今宮純氏が週末のイタリアGPを振り返る。

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 救世主ルクレール、聖地モンツァに降臨。フェラーリ14戦目の新鋭がイタリアGP“デビュー戦”を勝ちとった。速さと巧さと強さ。実力で強敵ルイス・ハミルトン(メルセデス)をくだしたのだ。こういうレースを望んでいたティフォシたちの心を揺さぶるレースだった。

 空中表彰台に立つルクレールにはどんな景色に見えたのだろう。メインストレートは埋め尽くされ、スタンドはスタンディング・オベーション、彼らすべての視線が自分ひとりに注がれる。9年前、2010年にマクラーレンから来たフェルナンド・アロンソがイタリアGP“デビュー戦”に勝ったあのときの光景が、個人的にだぶって思い出された。

 さらにさかのぼると1996年にベネトンから来たミハエル・シューマッハーは堂々と勝ってみせた。このふたりと同じ偉業を成し遂げたルクレール。違うのはまだ21歳でF1キャリアわずか1年半、先週ベルギーGPで史上108人目ウイナーとなったばかり。ふたりの「レジェンド」と並ぶ輝きを魅せた新星、まさしく“一等星”である――。

 モンツァを制する者がチャンピオンになってきている。2013年セバスチャン・ベッテル、14&15年ハミルトン、16年ニコ・ロズベルグ、17&18年ハミルトン。彼らはその年マシンに恵まれたが、<王者の資格>としてミスやエラーを最小限にとどめる集中力を持続し、長いシーズンを走りぬいた。

 モンツァの全長5.793Kmにコーナー数は11。53ラップでトータル583コーナーを数える。そのほぼ60%は高速コーナーだが三つのシケインでヘビーブレーキングを強いられるのが特徴だ。超高速コース仕様のローダウンフォース設定なのでとくに減速時の安定性がシビア。そのブレーキングポイントはタイヤの状態や燃料の軽重によって変わってくる。また前後左右に群がるマシン位置関係によって乱流をあび、ダイナミックダウンフォースも変動する。

 1~2コーナーの「レッティフィーロ・シケイン」、4~5コーナーの「ロッジア・シケイン」、8~9~10コーナーの「アスカリ・シケイン」。今年もそこがアクションゾーンになった。

2019年F1第14戦イタリアGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がランス・ストロール(レーシングポイント)と接触
2019年F1第14戦イタリアGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がランス・ストロール(レーシングポイント)と接触

 レース序盤、6周目にアスカリで悲鳴のような叫びが上がった。4番手ベッテルが入口で縁石に触れ単独スピン、コース復帰する瞬間にストロールと接触。非常に危険な行動と言わざるを得ない。

「ミラーの死角で見えなかった」と彼は主張するが、後続車が連なっている序盤である。皆が確実に自分を避けてくれると思ったのだろうか、チャンピオンの振る舞いとしていかがなものだろうか(重いペナルティ3点が科せられた)。なおベッテルは昨年フランスGP以降、9度もこうした“エラー”がありとても残念だ。

■シャルル・ルクレールとメルセデス勢の『1対2』バトル


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