FIAレースディレクターのマイケル・マシは、日曜日のF1第14戦イタリアGP決勝でフェラーリのシャルル・ルクレールが、メルセデスのルイス・ハミルトンに対して取った自己防衛的な動きを罰しなかった理由について、自身の見解を語った。
彼らがそれぞれ順次ピットストップを行った後、ハミルトンはルクレールとの差を詰めて、ロッジアのシケインへの進入路で横に並びかけた。
しかし何とか持ちこたえようとしたルクレールの動きによって、ハミルトンは半分コース外に押し出されることになった。
ルクレールの走行に対しては、即座に制裁措置として、スポーツマンらしくない行為への警告であるF1の黒白旗が出された。だが、ハミルトンを含む多くの人々は、この決定が寛大過ぎるものであり、過去に起きた類似の事案におけるスチュワードの裁定とも一貫していないと感じているようだ。
「これにはふたつの要素があると思う」とFIAレースディレクターのマイケル・マシは延べた。
「ふたつ目について言えば、いくつかの点を思い起こす必要があるということだ。バーレーンでドライバーたちとの間で、彼らを自由に走らせることに関する議論を行った。その後は各チームの代表者、ドライバー、スポーティングディレクターたちとも議論を重ねている。今回の事案は、特に我々がスパ(・フランコルシャン)で表明した反スポーツマンシップ行為に対するフラッグ使用の再導入という文脈で見てほしい」
「(ピエール)ガスリーは、スパにおいて非常に似たインシデントで反スポーツマンシップ旗を受けた。このときに相手との接触はなく、ペナルティ覚悟の違反だったとも言える。つまりシャルルに対する警告と同様だ」
マシは、単なる警告にとどめるか罰則に踏み込むかの裁定は、完全にスチュワードの手に委ねられていると語る。
「ペナルティを科すのか反スポーツマンシップ旗を表示するのかについては、最終的にはスチュワードの判断だ。だが仮にスチュワードが自分たち以外の視点を必要とした場合には、当然我々も罰則を科す機能を持っており、ここで本当に確定する。今回は難しかっただろう」