F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回はF1第15戦シンガポールGP&第16戦ロシアGP編だ。
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☆ ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
シンガポールGP:8位/ロシアGP:14位
トロロッソに戻って4戦、少しづつにフェルスタッペンを意識した“コピー走法”から脱却しつつある。彼とのコーナー・ボトムスピード差を気にするあまり、いろいろトライしては悩むスランプ状態にはまりこんだ。ロシアGPソチの予選アタックではそれを払拭、セクターベストをそろえ11番手タイム。自信を取り戻し、マシン信頼度を高めたと見るが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザー、ヘルムート・マルコ博士の査定は……?
☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
シンガポールGP:9位/ロシアGP:10位
パドック関係者の間で一定の評価をされているのに来季が不透明な状況にある。そんな時期の2連戦、接触で後退しても集中力を保ち入賞圏にリカバー。2倍以上もの高額を得ているリカルドとは同ポイント、自分とルノーのために健闘した2連戦。
☆☆ セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
シンガポールGP:リタイア/ロシアGP:7位
レース巧者だ。フリー走行ですべてのタイヤスペックを試し、アップデートを確認する仕事を優先(完璧な予選準備はできないが)。中団グリッドからレースで強みを発揮、ロシアGPではマクラーレン勢の間の7位に割り込む。トロロッソに対し3点差、ラストスパートにかけるレーシングポイント。
☆☆☆ カルロス・サインツJr.(マクラーレン)
シンガポールGP:12位/ロシアGP:6位
この2戦、タイプが異なるコースで“Bリーグ・PP(予選7番手&6番手)”を獲得。チームのセットアップ方向性は万全、それを活かし一撃ドライビングを決めた。ソチではスタートからメルセデス勢に対抗(初めてと言える)、“Bリーグ1位”でゴール。マクラーレンがコンストラクターズ選手権で100点を超えるのは5年ぶりのこと。