事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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ロバート・クビサは日曜日の朝、予選が始まる前に、直ちにウイリアムズを去ることを真剣に考えていた。クビサはチームから不当な扱いを受けていると感じていたのだ。ウイリアムズは2020年型プロトタイプのフロントウイングを鈴鹿に持ち込み、フリー走行1回目でジョージ・ラッセルのマシンに装着したが、ラッセルは既存のウイングから改善が見られないと感じていた。
そこでフリー走行2回目では新しいウイングがクビサのマシンに取り付けられ、「ウイングのおかげでマシンが変わり、感触がより良いものになった」とクビサはそのアップデートを喜んでいた。そしてクビサはラッセルより速いタイムでセッションを終えた。
土曜日の予定がキャンセルされたことから、新しいフロントウイングは予選とレースに向けて、クビサのマシンにそのまま残されることになった。しかし日曜日の朝にサーキットに到着したクビサは、理由がなんであれ、スタッフが変更したことを発見することになった。
「ここにいる人たちの決定ではなかったと思う……」チームの情報筋によると、この決定はクレア・ウイリアムズによるもので、彼女は自宅から電話で2020年型フロントウイングをクビサのマシンから外すようにチームに指示したという。
どうやらそれは、チーム副代表の決断に大きな影響力を持っているラッセルの要望であったらしい。クビサはDTMへ活動の場を移す前にシーズンを完了したいと考えてはいるが、ウイリアムズの環境は耐え続けるにはあまりにもストレスが多く、屈辱的なものであることから、彼は予定よりも早くチームを離脱するかもしれない。
■決まる気配の見えない2021年のレギュレーション
FIAとFOMが2021年F1世界選手権に向けて準備している技術および競技レギュレーションについて、F1の10チーム中6チームが、支持していないことを表明している……。
■ハースとフェラーリの技術協力関係が拡大へ
チーム設立以来最悪のシーズンを過ごしているハースは、今後フェラーリとの技術パートナーシップを拡大することが確実なようだ……。