決勝日午前中の予選ではフロントローを独占する圧倒的速さを発揮しながら、レースでは揃ってスタートを失敗したフェラーリ勢。その結果、セバスチャン・ベッテルは2位。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンと接触したシャルル・ルクレールは合計15秒のタイムペナルティを受けたこともあって、7位入賞が精一杯だった。
前戦ロシアGPに続いて、勝てるレースをみすみす逃した今年の第17戦日本GP。しかし、ふたりのドライバーとマッティア・ビノット代表が出席したレース後会見は、意外にサバサバとしたやりとりに終始した。
――セバスチャン、スタートの際、マシンが動き出してしまったのは何が起きたんですか。ブレーキペダルから、足が滑ったとか?
ベッテル:いや、そうじゃない。いつもと同じ手順で、スタートをしただけだ。一瞬動いて、すぐに止めたために、蹴り出しがひどく遅れた。でもスタート自体は、特に普段と違うことをしたわけじゃない。
――動き出した理由は?
ベッテル:単純に僕のミスだよ。そうしてしまった理由はあるけど、大したものじゃない。
――シャルル、あなたのスタートも素晴らしいとは言えなかった。そしてターン2で、フェルスタッペンとぶつかりました。何があったんでしょう。
ルクレール:確かにスタートは、ひどいものだった。隣のセブが少し動いたのが視界に入って、それで集中力が途切れてしまった。それでシグナルが消えた時に、反応が遅れてしまった。
マックスとの接触は、僕のミスだ。セブ(セバスチャン・ベッテル)やルイス(・ハミルトン)のすぐ背後に付けていて、フロントのダウンフォースが少し抜けた。そういう事態は十分予測すべきだったのに、僕はできていなかった。それでインに切り込んできたマックスを、避けることができなかった。
――マティア、スタート直後のそれらの混乱がなかったら、メルセデスと優勝を争うことができていた?
ビノット代表:実際に起きていないことを、想像でコメントするのは難しい。しかし予選での速さをみる限り、そしてレースでもセブはルイスの猛攻を最後まで耐えたことからも、十分なペースがあったと思う。しかし重要なのは勝てたはずだと後悔するのではなく、なぜこんな結果に終わってしまったのかを検証することだ。