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F1 ニュース

投稿日: 2019.10.17 07:30
更新日: 2019.10.16 20:17

鈴鹿に込めた“レース屋の心”。母国であるF1日本GPに懸けたホンダの思い

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F1 | 鈴鹿に込めた“レース屋の心”。母国であるF1日本GPに懸けたホンダの思い

 アレクサンダー・アルボンが4位、ピエール・ガスリーが8位入賞を果たした日本GPを、田辺豊治テクニカルディレクターは「総じて言うと我々の持てる力を出せたレース」と表現した。ただ、日本のファンの前で表彰台を目指してきたことはもちろん。もしも、スタート直後、マックス・フェルスタッペンの接触事故がなかったら――。

「何を言ってもタラレバになっちゃいますから」と気持ちを抑えながら、ひと言だけ口にした。

「非常に残念な思いです」

 技術者らしく感情を抑える術を心得た田辺TDの声が、少し震えて聞こえた。ともに戦う何百人もの技術者たちの思いが、重なって響いたように。

 グランプリの週末は木曜の朝から始まる。午前中に行なわれるトロロッソ、レッドブルとのミーティングはそれぞれ30~45分。田辺TDは2チームの時間が重ならないかぎり、両方に出席する。

「前戦で発生した問題や懸案事項に対してどのような策を入れてきたのか、どんなアップデートがあるのか情報を共有するんですが、レッドブルの場合、ここではパワーユニット(PU)だけに全部の時間が充てられます」

 準備段階での最大のブリーフィングは、木曜の午後。両チームとも車体/PUのエンジニアとドライバーが全員集合し、それぞれ45~60分かけて“プラクティス/予選/レースの戦い方”を話し合う。週末の“大きな戦略”を決める会議だ。

「すごく細かい話にもなるんですが、最初は天候ですよね。たとえば“今週末の天候の推移はこうです”“FP2の外気温と路面温度は予選に近いけれど、日曜日は寒くなってFP1、3がレースに近くなります”と。その温度を見据えたうえでセッティングしていくので、予選についてはFP2のときにきちんと抑えようとか、レースは温度変化を見据えてセットアップしようとか。温度についてはエンジンももちろんですが、車体、エアロダイナミクスも空気密度が違うと影響を受けますよね。タイヤへの影響も直接的。だからレース関係者はみんな天候や温度に敏感、常に注目しているわけです」

 台風19号の影響が予測された今回の鈴鹿では、土曜の走行がキャンセルされる可能性もテーマとなった。

「FP2も後半は雨が降るかもしれない。だから“どういうプライオリティで仕事を進めましょう”という話をします。日曜日は晴れの予報ですが、FP2と比べてたとえば外気温で2℃、路面温度で4℃下がるという場合、その分だけオフセットして考えていきます」

 ドライバーのコメントに「明日はコンディションが変わる」、「レースは暑くなりそう」といった表現が頻繁に登場するのは、こうしたミーティングに参加しているから――タイヤの話だけではないのだ。

■走行中にもリアルタイムでSakuraとミルトンキーンズと会話


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