2019年F1第17戦日本GP決勝で失格との裁定を下されたルノーが、控訴手続きを取らないことを決めた。これによりダニエル・リカルドは6位を、ニコ・ヒュルケンベルグは10位をそれぞれ失った。
日本GP決勝後、レーシングポイントは、ルノーがブレーキバイアス調整システムに関してF1競技規則、技術規則、FIA国際スポーツ規則に違反している疑いがあるとの申し立てを行った。FIAは詳細な調査を行い、両チームへの事情聴取を行った結果、ルノーは技術規則への違反を犯してはいないが、ドライバーエイドに関する競技規則には反していると判断、2台の失格を決めた。
この裁定を受け、ルノーは当初、「ドライバーエイドとしてのシステムの能力の主観性、また最近の事例における関連ペナルティの多様性を考慮し、FIAが定めた時間枠内で、次の行動方針について検討する」という声明を発表、控訴の可能性を検討することを明らかにした。
しかしルノーは24日、控訴手続きを取ることを断念、失格裁定を受け入れることを発表した。
「我々はスチュワードの決定、特にこれほど厳しい制裁が適用されたことを残念に思う。我々の意見では、このペナルティはドライバーが得た利益に応じたものではない。完全に合法であり革新的なものと認められたシステムが使用されたことを考えればなおさらだ」とルノーの声明には記されている。
「さらに、今回の制裁は、同様の違反に関する以前の制裁と合致しない。スチュワードは今回の決定のなかでそれを認めているが、さらなる議論は行われていない」
「我々の証拠はすでにシステムの合法性を証明しており、それ以上の新たな証拠は持たないため、主観的な評価、そしてマシンのパフォーマンスを向上させることなくドライバーの作業量を減らす(ドライバー)エイドに関連する制裁に関して、国際控訴裁判所で不毛な議論を行うためにさらなる時間と労力を費やすことは望まない」
「従って、我々はスチュワードの決定に対して控訴手続きを取らないことを決めた」
「フォーミュラワンは、競争力上のアドバンテージを得る可能性があれば、それがどれだけ小さなものでも探り出すために絶え間なく努力を重ねる場である。革新的なソリューションをコース上に投入する前の社内のプロセスを強化する一方で、我々はこれまで行ってきたそういう努力を今後も続けていく」
日本GPでの2台失格により、コンストラクターズ選手権5位のルノーは9ポイントを失った。これにより4位のマクラーレンとの差は43ポイントに拡大した。さらにランキング6位のトロロッソ・ホンダとのギャップは6ポイント、7位のレーシングポイントとのギャップは10ポイントに縮まっている。