レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2019.10.29 14:38
更新日: 2019.10.29 16:16

予選の黄旗無視で流れ変わったフェルスタッペンと“引く勇気”のハミルトン【今宮純のF1メキシコGP分析】

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | 予選の黄旗無視で流れ変わったフェルスタッペンと“引く勇気”のハミルトン【今宮純のF1メキシコGP分析】

 2019年F1第18戦メキシコGPは、3番グリッドからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンが逆転優勝。予選トップタイムを記録しながら3グリッド降格となったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは歯車が噛み合わず6位入賞に終わった。F1ジャーナリストの今宮純氏が週末のメキシコGPを振り返る。
————————————

 空気は薄くてもレースそのものが今年も濃かったF1第18戦メキシコGP。この国ならではの『F1フェスティバル』に観客誰もが興奮。金曜から9万2342人、土曜は11万を超え日曜には13万人以上、トータル観客数34万5694人は全21戦GPの“最多チャンピオン”だ。新大統領が一時F1開催に否定的な動きを見せたが現行契約が3年延長された。今年新記録となったこの集客力からすれば当然だろう。

 ここでハミルトンはチャンピオンを決められなかった。とはいえ6冠を目指す覇者はさすがと思わせるドライビングを金曜から見せていた。

 雨上がりのFP1セッションは路面が汚れたまま、いたるところに濡れ場が残るコンディションでスタート。標高約2300mの高地では空気密度が20%以上低下、ダウンフォース(垂直荷重)はその分得られない。エアログリップもメカニカルグリップも減り、直線以外でたえずマシンが滑りまくる状態に。見るからに数年前のF1に近いような挙動で、カウンターステア走行があちこちで散見できた(スロー画面でそれがはっきり)。

 ハミルトンのドリフトはきれいだった。それでもときどき“スライド・アングル”が乱れたが他よりも少なく絶妙なコントロール。S字がつづくセクター2も低速のセクター3も最速タイム、彼の腕を見させてもらった。0.1秒遅れに迫ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)とフェルスタッペン、このふたりがナチュラルなコントロール能力を示したのも興味深い。この滑りまくるセッションに限って言うなら、いま20人のなかで彼らは抜きん出ている(と個人的に感じた)。

2019年F1第18戦メキシコGP クラッシュの後、ガレージに運ばれるバルテリ・ボッタス(メルセデス)のマシン
2019年F1第18戦メキシコGP クラッシュの後、ガレージに運ばれるバルテリ・ボッタス(メルセデス)のマシン

 土曜の予選Q3最後に事件が起きた。バルテリ・ボッタス(メルセデス)が最終エリアで縁石に触れ姿勢を乱し、汚れたオフラインで制御不能のままクラッシュ。直後だったハミルトンは黄旗が出される寸前に間一髪で通過(ボッタスのクラッシュを視認しながら)。次に現場に来たベッテルはすぐさま黄旗振動に反応してアクセルオフ。ところがその後のフェルスタッペンは、現場を何事もなかったかのようにいつものように加速して抜けた。


関連のニュース