フェラーリF1のセバスチャン・ベッテルは、アメリカGPのレースウイークにFIAが発行した技術指令書が、オースティンにおけるチームのパフォーマンス低下につながった、との見方を退けた。
ライバルたちはフェラーリがパワーユニット(PU/エンジン)のパフォーマンス向上目的で技術規則の抜け穴を利用している可能性を疑ってきた。レッドブル・レーシングからの問い合わせを受け、F1を運営するFIAは技術指令書を通じて規則の明確化を行った。
偶然の一致なのか、フェラーリはアメリカGPの予選と決勝でパフォーマンスが低下、マックス・フェルスタッペンらはそれを証拠としてフェラーリへの疑念を示していた。
しかしベッテルは、チームのパフォーマンスが再度注目されるであろう第20戦ブラジルGPを前に、そうした憶測を一蹴した。
「エンジンのパワーはまったく低下などしていなかった」とベッテルは強く主張した。
「僕らは他のドライバーたちよりもダウンフォースを多くつけて走ることを選んだんだ」
「予選ではその違いは明らかだった。ストレートでは普段ほどでないにしても、若干僕らの方が速かった。一方で、コーナーではいつもほど遅れを取っていなかった。ある事柄は常に(別の事柄と)連動するものなんだ」
ベッテルは決勝レースの序盤でサスペンション破損からリタイアを余儀なくされ、シャルル・ルクレールもメルセデス勢やフェルスタッペンといったライバルたちに太刀打ちできるほどの走りを見せられなかった。
「決勝でのシャルルは、僕たちに通常備わっているペースを発揮できなかった。だけどそれ(技術指令書)が原因ではないことは分かっている」とベッテルは言う。
「明らかに、以前との違いを生じさせた要因は他にある。僕たちはそれを突き止めようとしていた」
「今シーズン、競争力が全然出せなかったレースは他にもいくつかあった。今回が唯一というわけではない」
「だから、何が起きたかを正確に理解して、二度と起きないようにすること、来年に向けてそれらの課題に取り組むことが、間違いなく重要になる」