予想外の不振に悩まされ、シーズン中盤になって開幕戦オーストラリアGPの空力仕様に戻すなど、迷走が続いたハースF1。しかしここに来てようやく、その原因をつかめたようだ。すべてはフロントウイングにあったと、彼らは結論づけたようである。ただしF1第19戦アメリカGPに投入した新型ウイングは、VF19のこれまでの欠点を正すというより、2020年シーズンに向けての開発の方向性を確認することが目的だったと思われる。
オリジナルのハース製フロントウイングは、翼端板に向かってフラップが上がって行く、メルセデスやレッドブルに属する形状だった。しかし新型はフェラーリやアルファロメオ、トロロッソと同様、付け根からいったん盛り上がったフラップは、翼端板に向かって下がっている(上2枚の写真の黄色矢印参照)。
フロントウイングのコンセプト自体が、まったく変わったといっていいだろう。メインフラップもほぼ平らだったのが、翼端板に向かって跳ね上がる形状になっている(赤矢印参照)。アメリカGPの週末にはケビン・マグヌッセンが新型をテストし、旧型のロマン・グロージャンとの比較を行った。
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