レッドブル・ホンダが今シーズン3勝目を挙げた。しかし、レース直後のレッドブルのガレージは、すべてのスタッフが笑顔というわけではなく、少し複雑な感情が入り混じっていた。それは残り2周という段階で、レッドブル・ホンダが1-2体制を築いていたからだ。
レースはポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンが力強い走りで、レースをリードしていった。
コース上で抜けないことを悟ったメルセデス陣営は、20周目にルイス・ハミルトンをピットインさせ、アンダーカットを仕掛ける。するとレッドブル・ホンダもこれにすかさず反応。翌周フェルスタッペンがピットインし、メルセデスより速い1.9秒の静止時間でフェルスタッペンを送り出す。
しかし、その直後、ウイリアムズがピットレーンを走行してきたフェルスタッペンをきちんと確認せずにロバート・クビカをピットアウトさせ、あわやフェルスタッペンと接触しそうになる。フェルスタッペンがなんとか接触を回避したものの、クビカの後ろで時間を失ったフェルスタッペンは、ハミルトンの後ろでコースに復帰することとなった。
しかし、この日のレッドブル・ホンダにはどんな状況でも速いという絶対的なペースがあった。コースに復帰した直後のホームストレートで、フェルスタッペンはハミルトンのスリップストリームに入り、DRSを活用して、あっさりとハミルトンをオーバーテイク。再びトップに返り咲いた。
一方、チームメイトのアレクサンダー・アルボンは5番手からスタートし、序盤はポジションキープする安定した走りを披露。レース中盤にはタイヤ戦略に苦しむバルテリ・ボッタス(メルセデス)からポジションを奪い4番手を走行する。
その後、54周目に2回目のセーフティカー導入され、その再開時に1コーナーでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を豪快にオーバーテイク。さらにその直後に、フェラーリ勢2台が同士討ちを演じ、2度目のセーフティーカーが導入された66周目に、2番手を走行していたハミルトンがピットインすると、アルボンは自動的に2番手に上がり、ここでレッドブル・ホンダがフェルスタッペン&アルボンの1-2体制を築く。