メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、第20戦ブラジルGPの終盤、セーフティカー導入のタイミングでルイス・ハミルトンをピットインさせたチームの判断は「まったく愚か」で「初歩的な過ち」だったと語った。
ハミルトンが、トップを走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を追撃していた終盤戦、フェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが同士討ちによりリタイアとなり、セーフティカーが導入された。
そのころメルセデス陣営では、ハミルトンの担当レースエンジニアであるピーター・ボニントンが無線でタイヤの状況を尋ねるとともに、今ピットに入ればポジションをひとつ下げることになると伝えていた。
ハミルトンはいったん「(ピットインするかは)そちらで決断してくれ」と返答した後、ためらいながらも「入るよ、入る」と付け加えてピットレーンに向かった。
アリソンはレースを振り返り、チームがハミルトンに対してピットインで失うであろうポジション数を不正確に伝えただけでなく、その決断をハミルトンに委ねたことも間違いだったと述べた。
ハミルトンは、この最後のピットインでアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)とピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)に抜かれて、順位をふたつ落とした。残り2周、ハミルトンは後方からガスリーを抜いて3番手を取り戻したものの、その前を行くアルボンに接触したことで、レース終了後に5秒ペナルティを受けて最終順位を3位から7位に落としている。
メルセデス代表のトト・ウォルフが不在だったブラジルGPでチームの指揮を執ったアリソンは、「その時点までも素晴らしいとは言えなかったレース展開のなか、我々は愚かな判断を下してしまった」と説明した。