2019年F1第20戦ブラジルGP決勝でトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが力走の末、2位表彰台を獲得。ラスト2周の攻防、そして2018年からタッグを組むホンダについてトロロッソのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズにインタビューした。
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──素晴らしい2位表彰台です。
エドルズ:ありがとう。金曜日からマシンは速かったから、いいレースはできると思っていたけど、まさか表彰台に上がるとは思ってもいなかった。トロロッソは昨年まで表彰台は1回(2008年イタリアGP/セバスチャン・ベッテル優勝)しか経験していなかったのに、今年はすでに2回も上がった。最高の気分だ。
──しかも最後は、手に汗握るルイス・ハミルトン(メルセデス)とのバトルを制しての2位。ファイナルラップのバトルの話をする前に、2回目のセーフティカーが導入されて、ハミルトンがピットインしたとき、ピエール・ガスリーのポジションが1つ上がって、3番手になりました。あのときは、何かに何でもハミルトンを押さえて、表彰台を狙いに行ったのですか。
エドルズ:いや、あのときはピットインしたハミルトンが交換したばかりのタイヤで真後ろにいて、ピエールは約20周走ったタイヤで再スタートしなければならなかったから、無理な戦いは挑まず、きちんとゴールまでクルマを持って帰ることを指示した。
あそこまで行ったら、確かに表彰台に上がりたい気持ちはあった。でも、我々のようなチームにとっては、4位でも素晴らしい結果だ。コンストラクターズ選手権のことを考えても、『3位かリタイア』よりも『確実に4位』のほうが重要だった。
──それで残り2周となったところでの再スタートで、あっさりハミルトンにオーバーテイクされたわけですね。しかし、その周のヘアピンでハミルトンがアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)に突っ込み、ガスリーが2台の横をすり抜けて、2番手に浮上しました。
エドルズ:オー・マイ・ゴッドって叫んだよ。でも、ハミルトンがすぐに発進して3番手でレースを再開したから、チクショーという感じだった。だって、向こうのほうがタイヤのグリップが明らかに良く、ファイナルラップのインフィールドセクションで追いつかれるのは目に見えていた。
──そして、ファイナルラップの12コーナーを過ぎたところからコントロールラインまで、あのサイド・バイ・サイドのバトルが演じられた。あのとき、ガスリーはオーバーテイクボタンを使ったのですか。
エドルズ:ホンダからは可能な限りのパワーを使わせてもらった。それから、あの場面で我々に運があったのは、セーフティカーが解除されたばかりだったため、DRSが使用不可となっていたことだ。だから、あのサイド・バイ・サイドのバトルはメルセデスとのガチンコ勝負。それに我々は勝った。