F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。今回は、インテルラゴスでデモ走行したマクラーレンMP4/4の様子を見に来たセバスチャン・ベッテルがアイルトン・セナにまつわる思い出を語った。
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2019年のF1第20戦ブラジルGPは、ブラジルが生んだ世界的英雄でもあるアイルトン・セナが、1994年のサンマリノGPで事故死してから25年目という節目のグランプリだった。そこで日曜日にA・セナが初めてタイトルを獲得した88年に乗っていたマクラーレンMP4/4を、A・セナの甥であるブルーノ・セナがドライブするというイベントが催された。スタンドに詰めかけた多くのファンは、「Obrigado Senna」(ありがとう、セナ)と書かれたフラッグを振って、天国のセナへ感謝していた。
そのイベントに先駆けて、グランプリ開幕前日の木曜日にリハーサルが行われた。最初にステアリングを握ったのがマーティン・ブランドルで、これはおそらくイギリスのテレビ局の取材だったと思われる。
その後、B・セナがステアリングを握ってインテルラゴスを数周した。すべてのリハーサルを終えて、B・セナが駆るマクラーレンMP4/4が特設テントがある1コーナーのアウト側へ帰っていくと、そこには多くの関係者やメディアたちが待ち構えていた。その中のひとりに、真紅のウェアを着た人物がいた。それは、セバスチャン・ベッテル。セナがドライブした伝説の名車を見にきたのだ。