6度のF1世界王者に輝くメルセデスのルイス・ハミルトンは、MotoGP界のレジェンドであるバレンティーノ・ロッシと、スペイン・バレンシアで互いのマシンに試乗する日を指折り数えている。
ハミルトンは、チャンピオンシップを制覇した2019年シーズンを、最終戦アブダビGPで11度目の優勝を飾って締めくくろうと考えている。しかしそれが終わった後は、気持ちを切り替えて12月9日にバレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで行われるスペシャルイベントに集中するつもりだ。
ハミルトンと、ロッシが所属するヤマハMotoGPチームを、それぞれスポンサードしているモンスターエナジーが主導して、ふたりの偉大な王者が互いの持ち場を1日だけ交換するイベントが実施されることになったのだ。
以前、ロッシはフェラーリの厚意でF1マシンに乗った経験を持つが、ハミルトンがMotoGPマシンに試乗するのは今回のバレンシアが初めてとなる。
「すごく興奮している」と、ハミルトンは先週のブラジルGPで語った。
「ここ数年間は自分でもバイクに乗っている。コースにはわずか3日間しか出てないけれど、素晴らしい体験だった。MotoGPも毎回観ているよ」
「メルセデスF1チームのなかで、バイクに乗ることが好きな数名の小さなグループを作っているし、とても若いころから大きなバイクに乗りたいと思ってきた。だから今回は本当にうれしい」
「MotoGPのマシンは筋金入りの本物だ。だから、あのバレンティーノと同じ時に同じコースに立てるというだけで、何か夢のようだし、本当に名誉なことだ」
「彼はMotoGPを代表する存在だ。このスポーツに大きく貢献してきた。そんな彼が僕のマシンに乗っているところを見られるなんて、すごいことだよ」
ハミルトンは今回のMotoGP体験に真剣に取り組むつもりのようだ。12月9日の本番に向けて調子を整えるため、以前試乗したことがあるパタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチームとともにバレンシアで数日間の練習をこなす日程をすでに組んでいる。
ロッシは、過去にフェラーリのマシンで数度、プライベートな試乗を楽しんだ経験を持つ。今回バレンシアでは、10年以上前にフェラーリから提供されたときよりずっと速くてダウンフォースも大きい、メルセデスの2017年型マシンに試乗することが決まっている。