フェラーリの創設者であるエンツォ・フェラーリの息子ピエロ・フェラーリは、フェラーリが永遠にモータースポーツの最高峰であるF1でレースを続けることを望んでいるが、今日のF1は理解しがたいものになっていると認めた。
グリッドにフェラーリのマシンがないF1の世界は想像し難いが、反対に一流のマニュファクチャラーたちがブランドとしての成功の大部分をF1で築いているのも事実だ。
フェラーリの株を10%所有しているピエロは、彼の父親も確実に現代のスポーツのあり方に賛同しないだろうと認めている。そして74歳の彼自身もまた、今日の複雑化したF1の世界に対して戸惑いを感じているという。
「今日のF1では、シーズン中のテストやパワーユニット開発など、何もかもが禁止されているように見える……。現代のF1は理解しがたいと思う時もあるよ」とピエロは『RAI』ラジオの番組『Extratime』で語った。
「私の父はサマーブレイクも気に入らなかいはずだ。8月15日でも喜んでテストに出かけただろう」
「我々はF1の初めの年からずっとF1界にいる。そして満ち溢れる情熱と野心とともに、我々がここに居続けているというのは重要なことだ」
「私は、フェラーリにふたつの精神を永遠に持ち続けて欲しいと思っている。ひとつは美しいスポーツカーを作るということ、そしてもうひとつはF1での勝利だ」
「これは父が常に望んでいたことでもあり、我々が今も追い続けている夢でもある」
ピエロはF1第20戦ブラジルGPでのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールの同士討ちにも触れ、チームがすべてのレベルにおいて完璧に機能することの重要性を強調した。
「勝つためにはスタートからから最終ラップまで100%の力で走れるマシンと、ミスをせずにマシンのパフォーマンスを100%引き出すことができるドライバーが必要だ」