2019年の最終戦アブダビGPが開幕した。すでに今シーズンのタイトルはドライバーズ選手権がルイス・ハミルトン、コンストラクターズ選手権はメルセデスが獲得し、決着がついている。しかし、選手権はまだ終わっていない。ドライバーズ選手権は3位以下が、コンストラクターズ選手権は5位以下が確定していないからだ。そして、その2つの戦いに、ホンダがパワーユニット(PU/エンジン)を供給している2チームが、ともに加わっている。
前戦ブラジルGPを制したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは25点を獲得し、無得点に終わったシャルル・ルクレール(フェラーリ)を逆転して選手権3位でアブダビに乗り込んだ。フェルスタッペンのポイントは260点で、ルクレールのポイントは249点。最終戦の結果次第で順位が入れ替わる可能性がある。ふたりの差は11点なので、フェルスタッペンは表彰台以上の成績を残せば、ルクレールの成績に関係なく、3位が確定する。
もちろん、レースの世界ではチャンピオン以外は皆、敗者なので、3位を獲得して、フェルスタッペンが満足することはない。だが、この3位はホンダにとって大きな意味を持つ。それはフェルスタッペンのF1での選手権最高位は昨年の4位なので、もし3位となれば、自己ベストとなるからだ。
ルノーからホンダにパワーユニットを変える決定を下したレッドブルの判断には、多くの疑問の声があがったものだが、それが決して無謀な賭けではなかったことを証明する結果となるからだ。