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F1 ニュース

投稿日: 2020.01.08 12:42
更新日: 2020.01.16 13:28

知っておきたいF1専門用語:エンジン、サーキット編

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F1 | 知っておきたいF1専門用語:エンジン、サーキット編

 F1関連の様々な用語を解説する新コーナー。オフシーズンの間にマシンメカニズム編、エンジン編、サーキット編などなど様々な項目を解説していきます。

■エンジン編

・デプロイメント
『deployment』は本来、「配置」「展開」を意味するが、F1ではERS(エネルギー回生システム)で回生した電気エネルギーの量やその配分(どこでどう効率的に使うか)、またはエネルギーを放出することを指す。

MGU-K(運動エネルギー回生システム)による回生/放出量は規則で規定されているが、MGU-H(熱エネルギー回生システム)の回生/放出量は規制されておらず無制限のため、MGU-Hをいかに効率良く使うかが、現行規則での開発の方向性となっている。ストレートの後半で電気エネルギーによるパワーアシストが切れて失速してしまうことを「デプロイ切れ」と言ったりする。

・パーシャル回生
MGU-Kは運動エネルギーの回生に使うだけでなく、加速時に発電を行い、エネルギーを蓄える使い方もする。これをホンダは「パーシャル回生」と呼んでいる。スロットルが(全開ではなく)パーシャルの領域で回生(発電)を行うための命名だ。

発電のために燃料を余計に消費するのは無駄のように感じるかもしれないが、電気エネルギーとして回収しておき、そのエネルギーを後で放出(デプロイ)した方がラップタイム短縮に効果があることが判明したがゆえの制御。加速時にドライバーが期待する加速力を発生させながら、それ以上のエンジン出力を発生させておき、余ったエネルギーでMGU-Kによる発電を行っている。

・バッフルプレート
走行中の燃料の片寄りを防ぐため、燃料タンク内に設置する仕切り板。加減速やコーナリングによって燃料が片寄ることにより、ポンプが燃料を吸えなくなるのを防ぐため。

・プレチャンバー
メインの燃焼室の上部に設けた副室のこと。エンジンの熱効率を飛躍的に高めるリーンバーン燃焼を実現する技術のひとつ。エンジンの熱効率を向上させるには燃料と空気の比率である空燃比をリーン(燃料に対する空気の比率を高めていく)にする必要があるが、リーンにしていくほど着火~燃焼が難しくなる。そこで、メインの燃焼室(主室)の上部に小さな部屋(プレチャンバー)を設け、ここで着火させ、主室との間にある微細な孔から噴きだした噴流で、極めてリーンな混合気を燃焼させる。


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