2018年のFIA-F2選手権でチャンピオンとなったジョージ・ラッセルだが、2019年、低迷するウイリアムズでF1にデビューしたことで、シーズンを通して後方を走り続けることしかできなかった。一方、2018年F2でランキング2位のランド・ノリスや3位のアレクサンダー・アルボンは、それぞれF1デビューシーズンに優れたパフォーマンスを発揮し、高い評価を受けた。また幼いころに競い合っていたマックス・フェルスタッペンやシャルル・ルクレールはすでにトップチームで優勝争いをしている。
しかしラッセルは、ライバルたちの活躍に焦りを感じることなく、着実に進歩することで、将来のチャンスに備えようとしている。
──────────────────────────────────────────
Q:6度のF1世界チャンピオンのルイス・ハミルトンは、同じイギリス出身ということもありますし、あなたのロールモデルといっていいのでしょうか?
ラッセル:いや、必ずしも彼は僕にとってのロールモデルではない。僕は誰かを特に尊敬しているということはないんだ。F1を観ていた頃から、F1に参戦して成功するには、全体的に完成されている必要があると分かっていた。だからトップドライバーになるために、いろいろな人から少しずついろいろなことを取り入れたかった。
でもこの数年でルイスを本当に尊敬するようになったのは間違いない。彼を近くで見るようになって、メルセデスのミーティングに彼と出て、彼がどのように作業をするのか見てきたからね。彼には明らかに大きな天性の才能があるけれど、完全にそれに頼っているわけではない。才能とともにさらに多くのものがある。そして僕は彼にそのことを気づかされたんだ。
Q:2019年、経験豊富なチームメイトのロバート・クビサから何かを学びましたか? そして彼の方もあなたから何かを学んだでしょうか?
ラッセル:ロバートから学んだことは間違いなくあるよ。特にエンジニアとのミーティングで、彼がどのようにエンジニアたちとやり取りするか、どのようなフィードバックを返して詳細について話すかといったことをね。彼は技術面の知識がとても豊富なんだ。実際に技術的知識が高いドライバーがいるのだということに気づかされた。それは前に進むために自分の戦い方を改善する助けになったよ。その部分を改善していく必要がある。彼のレベルを見て、自分もまだ向上の余地があることを認識したんだ。
Q:彼はあなたから何を学んだと思いますか? たとえば、あなたはF2で走っていたことによって今の世代のピレリタイヤについて知っていましたし、メルセデスでテストを行った経験から現代F1マシンについても知識がありました。
ラッセル:どうだろうね。チームメイトからは常に得るものがある。さっきも言ったように、僕は彼の技術的側面について知ることができた。でも、彼はおそらく僕が知ったことに気づいてすらいないだろう。だから彼が僕から学んだことがあっても、僕には分からないよ。
Q:シャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペンはいち早くトップチームに移籍し、レースで勝利しています。あなたは、自分にも同じことができる、大きなチームにいれば勝てると感じたのではないですか?
ラッセル:彼らが何が可能かを示してくれたことは、僕にとってもうれしいことだ。ランド(・ノリス)とアレックス(・アルボン)もそうだ。僕は彼らとレースをしてきた。2018年は、ランドやアレックスとF2で戦った。彼らがF1でいい仕事をすればするほど、僕に対する評価もよくなる。僕は(F2で)彼らと競い合っていたんだからね。
(一緒に戦ってきたことは)お互いが向上する上でとても良いことだったと思う。僕は13歳という若さで、マックスやシャルルとレースができた。トップの彼らとレースできたことは、互いに刺激し合う助けになった。ここまで来るために、お互いプッシュし合ってきたんだ。そして今、僕らは強力なドライバーになった。